小社の写真資料室で、偶然この写真を手にしたとき、「あの年ほどいろんなことがあった年もなかったなあ」と、しばし、感慨にふけった。
これは、1987年10月18日、
巨人が後楽園球場での最後の試合(対
広島、2対5の敗戦)を終えたあと、優勝ペナントを、ファンに披露するために場内1周しているところである。
王貞治監督が就任して4年目でようやくつかんだV。この年で37年に生まれた後楽園球場はその役目を終える。その球場での最後の公式戦と表彰式と、場内1周。やはりこれは、いま見ても「そうだったなあ」の感慨が湧いてくる。
左上に大きくせり出しているのが、88年3月完成を目指して工事が進む東京ドーム。写真を見るとせり出し過ぎて2階スタンドの一部が削られている。これは気が付かなかった。
この年は、スタートからビックリのシーズンだった。
ヤクルトは、ブレーブスの巨砲、
ボブ・ホーナーを獲得したが(これだけでも十分にビックリ!)、5月5日の
阪神戦[神宮]でデビューすると第3打席に第1号を放ち、6日の同カードでは3ホーマー。さらに打ち続け4試合で6ホーマー。あまりの猛打に、“ホーナー現象”という表現さえ生まれた。
6月11日の巨人-
中日戦(熊本)では巨人・
クロマティが中日・
宮下昌己の死球に怒って殴りかかり退場。両チーム入り乱れての乱闘騒ぎとなったが、中日の
星野仙一新監督が、巨人・王監督の胸ぐらをつかまんばかりの大興奮状態に。“世界の王”にここまで迫った男は、仙ちゃんが初めてだったので、テレビを見ていたファンは驚いた。そして、8月9日の中日-巨人戦(ナゴヤ)では、中日の高卒ルーキー、
近藤真一がプロ初登板ノーヒットノーランの快挙!12月21日には
西武・
東尾修がマージャン賭博の容疑で書類送検。球団は謹慎6カ月と減俸2500万円の処分。最後まで騒々しい年ではあった。