ブロックの名手だった阪急・岡村との思い出
5月半ば、ベースボール・マガジン社から『野球酒場』なる本が発売された。飲食店を営むプロ野球OB13人の話を集めたものだそうで、あちこちに私の名前が出てきたと聞いた。

小社から発売されている『野球酒場』。野村氏の名前もあちこちに出てくる/写真=BBM
その一人が、元阪急ブレーブスの捕手・
岡村浩二だ。故郷・高松で開いた焼き鳥店を次男に継がせ、自身はスナックを経営しているという。その次男の名前が、『克也』君。私をライバルとしていたのか、目標にしていたのかどちらかは定かでないが、命名のとき、私の名前を「もらいます」と断りに来た。
岡村の性格は、キャッチャーよりもピッチャーに近かったと思う。闘争心が強く、激しいブロックを得意としていた。1969年、
巨人との日本シリーズ第4戦でのエピソードは、あまりにも有名だ。4回裏、無死一、三塁で、打席の
長嶋茂雄が空振りの三振。一塁走者の
王貞治がスタートを切っていたため、岡村はセカンドへ送球した。そこで、三塁走者の
土井正三がホームへ突っ込んだ。セカンドからのバックホームを受けた岡村は、完璧なブロックをしたかに見えた。ところが・・・
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