現役時代遊撃手として6度のゴールデン・グラブ賞(三塁でも3度)を受賞している野球解説者の宮本慎也氏は、誰もが認める守備の名手だ。今回、その宮本氏に登場いただき、ショートの守備をもうワンランクアップしたいあなたへ、実演つきで守備の極意を教えてもらった。 取材・構成=阿部ちはる、椎屋博幸、写真=松田杏子、取材協力=明治神宮外苑軟式野球場 ショート基本の動き~動き出しやすい姿勢を見つけなるべく打球の右側へ入ること
【基本姿勢】 
守備に入る前は、テニスプレーヤーがサーブを受けるときのような、左右どちらに打球がきても素早く動ける態勢で待っている。打球方向の見極めをする練習は、やはり打撃練習中にショートの位置に入ること。そこで打者のスイングを観察する

投手がボールを投げ、打者がスイングをし始めたあたりで左右どちらに飛ぶかを確認しながら、右足を半歩くらい前に出す
ショートというのは周囲360度すべてフェアグラウンドの中に立っているポジションですから、あらゆる打球に対応できる構えを見つけることが大事です。その中でも私は、テニスプレーヤーが相手選手からサーブを受けるときのような、リ
ラックスした構えが一番いいと思っています。軽く足踏みをしながら、最後に右足を少しだけ前に出す感じです。その右足が1歩目になります。
その構えに入るタイミングですが、ショートというポジションは投手の球筋が追えます。と同時に打者のスイング軌道も分かりますから、ボールがバットに当たる瞬間よりも、もう少し前の段階で、自分の体の中心より右側かな?左側かな?もしくは、真っすぐに遅れ気味にバットが出ているな、などと見極めて動くことが大事になります。その瞬間が、一歩目の右足を踏み出すタイミングになります。
【捕球の基本動作】 
打球の位置を確認しながら、足を使って素早く体を打球の右側に入れるようにステップを踏む

右側からステップを踏み、体の正面で捕球体勢に入る。腕とグラブの重みを感じながら降ろすだけで、打球はグラブに収まる。ただこのとき、グラブを打球方向に対し、手のひらを見せるようにして捕球にいくと、ヒジがロックされ、グラブさばきがスムーズではなくなるので注意する

捕球後は素早く右足のくるぶしを一塁側に向けながら、捕球したボール位置の辺りに置くイメージでステップしていく

右足のくるぶしが一塁に向いているため、体が半身になって右肩越しで一塁を見られるため、自然と一塁に投げる形になっている。そこから左足を一塁方向に出し送球する
突然ですが・・・
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