日本シリーズでDeNAが頂点に立ち、今年の熱闘が終了した。しかし、来季へ向けた準備はすでに始まっている。5球団で新監督が誕生するなど、首脳陣の顔ぶれにも変化が起きた。各球団がどのような意図で新体制を築いたのか探っていく。最下位に終わった西武を新たに率いる西口文也監督のインタビューをお届けする。 取材・構成=小林光男 写真=桜井ひとし 新たに西武を率いる西口監督
ファーム監督経験が大きなプラスに
49勝91敗3分け、勝率.350。借金42、首位・ソフトバンクとは42ゲーム差と大惨敗を喫した今年の西武。松井稼頭央監督はシーズン途中で休養し、代わりに指揮を執った渡辺久信GM兼監督代行も職を退いた。どん底に沈んだチームの再建を託されたのが今季はファーム監督を務めた西口文也監督だった。 ――現在、チームは宮崎、カーミニークで秋季キャンプを行っています。選手の動きはいかがですか。
西口 しっかりと動けていると思います。やっぱり、来年がチャンスだと誰もが思っているはずなので。目の色を変えて、練習に取り組んでくれています。
――西口監督にも新たな責任感が生まれていると思います。
西口 そうですね。今は来年巻き返すためにどうやっていこうかなということを、選手を見ながら考えているところです。
――今年はファーム監督でしたが、やはり一軍が結果を出せずに悔しい思いが渦巻いていますか。
西口 チームとしてここまで負けが込むのを経験したことがないですから。とにかく、今年は打てなかったことが最下位という結果につながった。一軍の試合を見ながら、ここまで打てないのかと思ったりしていました。二軍では打っていても、一軍の舞台に上がってなかなか結果が出ない選手が多かったですね。
――そこにはメンタルの問題も。
西口 気持ちの部分が足らなかったのはあったと思います。一軍では打てなかったときに結果を求め過ぎてしまって、そこがうまくいかなかった要因かな、と。もちろん、一軍と二軍ではピッチャーのレベルが違うところもあるとは思うんですけど。
――そこは西口監督が大切にしている言葉でもある「自然体」でいることが大事。
西口 そうですね。結果を求め過ぎると、どうしても余計な部分に力が入って、力みが生まれてくる。どういう状況であろうと、普段どおりの自分で勝負できるかどうかが大事だと思うので。でも、そこは難しい部分でもありますけどね。
――現役時代、西口監督は力むことがなかった。
西口 対バッターでどうやって抑えようかということは考えましたが、苦手意識は持たないようにしていました。“打たれる”というマイナスイメージが頭に出てくることはなかったです。ただただ、自然体でプレーしていました。
――そもそも、いつかは一軍監督をやってみたいという考えは?
西口 それは少なからずありましたけどね。ファーム監督として、選手の成長している姿を見ているのが楽しかったという部分もありましたし。
――ファーム監督の経験はどのような点で生きそうですか。
西口 ゲームの流れを意識しながら・・・
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