中日ドラゴンズ一筋で50歳まで投げ続けた。在籍32年は球団創設90周年の3分の1以上に及ぶ。星野、落合両監督の全シーズンを過ごした唯一の選手。2人の指揮官を語る上では打ってつけの存在だろう。 取材・構成=牧野正 写真=BBM 
2004年の中日対西武の日本シリーズ第2戦[ナゴヤドーム]。先発の山本昌の交代にマウンドに向かう落合監督
叱られる安心感
気持ち、気合、そういったものがどこまで結果として出るのか、正直、分かりませんが、
星野仙一監督はそういう部分を大事にしていましたし、選手をやる気にさせるのがうまかった。選手だけでなく、チーム全体を勢いに乗せることが抜群にうまかったです。
若いころは、何度も「くそ」と思いましたよ。だって理不尽なんだから(笑)。結果でモノを言うこともありました。でも叱られているうちは(試合で)使ってもらえるという安心感もあったのは事実で、叱られてはホッとしていました。こんなに選手を叱れるものなのかと。あれだけ熱量を出せる監督には今まで出会ったことがないですよ。その熱量が選手に伝わり、それがチームのムード、勢い、強さにつながっていたのかなと思います。
ものすごく叱られましたけど、でも不思議な心理というか、星野監督の喜ぶ顔が見たい、喜ばせてやろうと、そういう気になるんですよ。これは僕だけじゃなくてね。「いつもあんなに怒っているのに、今日はすごく笑顔だよな」って、それだけでこっちもうれしい気持ちになる。そういう監督でした。勝てば喜ぶし、負ければ怒る。じゃあ勝って喜ばせてやろうじゃないの! 選手はそんな気持ちだったように思います。
「俺は差別はしないけど区別はする」
これはよく言っていました。とにかく割り切りがすごくて大胆なんです。この選手を獲る、この選手を育てる、この選手を使う──そこにブレがない。三冠王の落合さん(
落合博満)を獲る、高卒ルーキーの立浪(
立浪和義)を遊撃レギュラーで使う、中村(
中村武志)を正捕手に・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン