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石川雅規、25年の現役生活に幕 角中勝也、唐川侑己、辛島航も引退試合で最後の雄姿

 

ともに戦い続けたナインの手で5度、胴上げされた[写真=高原由佳]


石川雅規が引退試合で代打から出場


燕の“小さな大投手”ついに完

「本当にヤクルトで良かった」。25年間、スワローズのユニフォームを着続けた石川雅規の現役生活が、ついに幕を下ろした。

 2002年、自由獲得枠でヤクルトに入団して12勝をマークし、新人王に輝いた。そこから10年間、2ケタ勝利を逃したのはたったの1年。15年は14年ぶりのリーグ優勝、21年には20年ぶりの日本一に貢献した。ほかにもプロ野球記録の24年連続勝利、投手として同タイの24年連続安打を記録するなど、球界最年長まで腕を振り続けた。

 迎えた10月3日の中日戦(神宮)での引退試合。7回裏一死、異例の代打からの出場となり、球場は石川コールが響き渡った。高橋宏斗が投じたストレートを打ちにいくも三飛。続く8回表に登板し、森駿太を空振り三振に仕留め、涙を流しながら最後のマウンドをかみ締めた。

 セレモニーでは、昨年までともに戦った村上宗隆(ホワイトソックス)からのメッセージが寄せられた。また、「カツオ」の愛称で親しまれた左腕に、アニメ『サザエさん』の登場人物、カツオから「今度、僕たちの空き地で一緒に野球をやりましょう」とメッセージが届き、笑みを浮かべていた。左腕の礎を築き、その成長を支えた古田敦也元監督からは「よく頑張りました」とたたえられ、シンガーソングライターのさだまさし氏からは「神宮の怪物」と称された。

「野球がうまくなりたい、大きい人に負けたくない」という気持ちを胸に、167cmという小さい体で刻んだ188勝。「全力でやり切りました。悔いはありません!」と言い切り、「スワローズのユニフォームを着て現役を引退することができて本当に幸せです」と小さな大投手が別れを告げた。

 愛し愛され続けた背番号19。家族、チームメート、ファンから送られたのは「お疲れさま、ありがとう」の言葉だった。

角中勝也&唐川侑己の引退セレモニー


最後まで「らしく」

引退セレモニーで笑顔を見せる角中。最後まで型にはまらない姿でファンを沸かせた[写真=戸加里真司]


 ロッテ一筋で戦った角中勝也と唐川侑己が10月2、3日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で相次いで現役最後の雄姿を見せた。

 2日は角中が六番・左翼で先発。3打席は無安打に終わり、8回の守備では右翼へ回った。直後に第4打席が巡ったが、足が限界に達した角中自身が交代を申し出て、藤原恭大が代打に送られた。試合後のセレモニーでは、あいさつ中にスマートフォンを取り出して自身のインスタグラムを更新。最後まで型にはまらない「角中らしさ」で笑いを誘った。

 翌3日、朝から子どもの運動会で大玉転がしに参加した唐川は、夜のマリンで先発。正木智也に代名詞のカットボールを4球続けて空振り三振を奪い、内野陣と握手して同学年の益田直也へ託した。「僕の19年間を見事に表した投球」と振り返った。試合は山口航輝のサヨナラ本塁打で2対1。白星で地元・千葉の右腕を送り出した。

現役最後の打者を空振り三振に仕留め、内野陣に見送られてマウンドを降りる唐川[写真=戸加里真司]


 独立リーグから首位打者に上り詰めた角中と、地元・成田高から入団して一筋19年を貫いた唐川。角中の最終戦では櫻井ユウヤがプロ初安打、唐川の最終戦では冨士隼斗がプロ初登板を果たした。2人の功労者がユニフォームを脱ぐ傍らで、新しい力が第一歩を刻んだ。

最後のV戦士・辛島航の引退セレモニー


18年を締めた4球

試合後の引退セレモニーでは家族やコーチ、チームメート、裏方さんへ感謝の気持ちを伝えた辛島。ポーカーフェースの左腕らしく、涙はこらえた[写真=菅原淳]


ホッとした表情で息を吐いた。10月3日のオリックス戦(楽天モバイル)でまっさらなマウンドに上がると一番・西川龍馬を直球とカーブで追い込み、最後はスライダーで左飛。緩急を生かした辛島航らしいピッチングで締めた。「本当に素晴らしい野球人生だったと思っています」。引退会見ではかみ締めるように18年間を振り返った。

 一番の思い出は2013年のリーグ優勝、日本一。「もう一度このチームで優勝したかった」と悔しさもにじませたが、歩んできた道のり、努力に後悔はない。何度もケガに苦しめられ、今季は一軍登板を果たせずユニフォームを脱ぐ決断をした。楽天一筋でチームでは最後のV戦士。球団の左腕の歴史をつくってきた背番号58が、温かい拍手に包まれながらマウンドに別れを告げた。
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