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2025ドラフト特集 プロ注目選手の最新動向!!【高校生クローズアップ】

<「全国制覇」を狙う逸材>健大高崎高・石垣元気(投手)×佐藤龍月(投手) 高め合って描く未来図

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全国各地で、高校野球春季大会の熱戦が繰り広げられる季節。夏に向けて輝きを放つ、有望選手たちにスポットを当てる。まずは、昨春、健大高崎高をセンバツ初優勝に導いた元『2年生二枚看板』。それぞれ試練と向き合って迎えた高校最後のシーズンに、再び頂点への道筋を描く。
取材・文=相原礼以奈 写真=桜井ひとし、BBM

健大高崎高・石垣元気[左]、佐藤龍月[右]


聖地のマウンドでの収穫


 1年前とは、それぞれ異なる立場で迎えるセンバツとなった。昨春、健大高崎高のエースナンバーを背負って初優勝に導いた佐藤龍月(3年)は、昨年8月に左肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を経て、背番号18の代打枠でベンチ入り。決勝まで全5試合で佐藤とマウンドを分け合った昨春の背番号10の石垣元気(3年)は、少したくましくなった背中に、背番号1とエースの自覚を背負って臨んだ。

 大会の開幕直前、石垣は左脇腹を痛めるアクシデントに見舞われた。初戦の明徳義塾高(高知)戦は左腕・下重賢慎(3年)が雨の中の延長戦で気迫の完投を見せ、石垣の登板はなし。2回戦の敦賀気比高(福井)戦は、4対3で迎えた9回二死、下重が四球で走者を出し、相手の好打者・岡部飛雄馬(3年)を迎えるタイミングで救援登板。5球で岡部を遊飛に打ち取り、すべて150キロ超えと、“復帰登板”で十分なインパクトを残した。

 準々決勝の花巻東高(岩手)戦では8、9回に登板し、1安打無失点、3奪三振。球速は最速155キロと、昨秋の関東大会での球場表示の158キロを除いた自己最速の154キロを更新し、甲子園最速タイをマークした。

「一瞬ちらっと見て、うれしい気持ちもありましたが、試合は続いていたので気にせず投げることを意識しました」

 冬場に積んだ鍛錬の成果も出た。

「ストレートで押せる球質になっているとは感じています。(体重増は)2~3kgですけど、それでも自分にとっては結構大きくて、ボールの力強さにつながったかなと思います」

 準決勝は、秋の関東大会決勝で敗れた横浜高(神奈川)との再戦。下重をリリーフして4回から登板も、5回に3連打を浴び、2四球と制球も乱れて3失点。1対5で雪辱はならなかった。「甘く入ったボールが一発で仕留められたことがあったので、しっかりとコースに投げ込める制球力を、もっと付けていかないと。バラつく要因はバランスよく投げられていないこと。まずはバランスよく投げることを意識して、ブルペンのピッチング練習からそのコースに投げ分けることをテーマにやっていきたい」。悔しさとともに、次の段階への確かなヒントも持ち帰った。

 北海道登別市出身。高校入学時からプロ野球選手になることを意識し、昨春のセンバツ制覇をきっかけに進路を「プロ一本」に絞った。「大谷翔平(ドジャース)選手のように、上のレベルでやりたいという気持ちはある」と、メジャー・リーグを代表する選手にもあこがれを持つ。

 進化を続ける右腕が見据える目標はぶれない。「今年はドラフトもありますし、自分の人生にとって、一番大切な年になってくる。まずはしっかりプロに行けるような成績を残して、最終的にはドラフト1位でプロ野球の世界に入りたい」。同世代の投手のライバルには、「身長が大きくて、自分には持っていない角度のストレートがある」と、東海大相模高の福田拓翔(3年)、大阪桐蔭高の森陽樹(3年)を挙げる。

 ベスト4の結果を残した今春のセンバツで、新たに得たものがあった。

「ケガの影響であまり長いイニングが投げられないこともあり・・・

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