
ハイライトは第3戦。1対1の10回裏一死から左翼ホームランテラスへとたたき込むサヨナラアーチだった[写真=牛島寿人]
3万6840人、本拠地・みずほPayPayは歓喜に包まれた。
ソフトバンクを2年連続の日本一へと導いた
小久保裕紀監督に続いて、お立ち台に呼ばれたのはシリーズMVP・
正木智也だった。
「苦しい試合ばかりでしたけど、ちょっとでも貢献できたと思うとうれしいです」
昨年は左肩亜脱臼により長期離脱を経験。ケガを乗り越え、今季は不動の一番打者として大ブレークを果たした。
「昨年のケガをしているときに比べたら、こうして今年、活躍できるなんて想像もできなかったです。昨年のリハビリから頑張ってきて良かったと思っています」
レギュラーシーズンでは初めて規定打席に到達し、112安打、28本塁打、59打点とキャリアハイの数字を残した。特筆すべきは、球団記録を更新する7本の先頭打者本塁打である。超攻撃的なリードオフマンとして小久保監督の起用に応え、リーグ3連覇に貢献した。
DeNAとの日本シリーズでは第2戦で先制アーチ、第3戦では王手を決めたサヨナラ本塁打。全4試合で安打を放ち、16打数7安打、2本塁打、2打点で文句なしのMVP受賞だ。順風満帆に映るが、本人にしか分からない悩みがあった。
「シーズン終盤から調子を落とし、不安の中で(日本シリーズが)始まりました。バッティングの調子が上がったのは本当、長谷川(
長谷川勇也)コーチと近藤(
近藤健介)さんのおかげで、この舞台で打つことができました。本当に良かったです」
インタビュアーに感謝の言葉を促されると「ありがとうございます」と笑顔。一塁ベンチでヒーローインタビューを聞いていた長谷川コーチ、近藤も微笑んだ。
「今年、僕が一番に入って、後ろにすごい先輩方がいて、その人たちにつなぐ気持ちだけでここまで来ました。先輩方に感謝したいです」。最後にこう言った。「今シーズンは終わりますが、また成長して帰って来られるように頑張りたい」。練習量も日本一と言われるホークスの伝統が、入団5年目の27歳に引き継がれた。
PROFILE まさき・ともや●1999年11月5日生(27歳)。182cm89kg。右投右打。東京都出身=慶応高-慶大-ソフトバンク22[2]=5年。