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後藤凌寿(トヨタ自動車・投手) 秘めたる155キロ右腕の潜在能力「2大大会でしっかりとアピールできたらいい」

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50メートル走6秒1、遠投110メートルと高い身体能力が投球にも生かされている。高校時代は野手を兼任していたこともあり、投球以外の周辺部分にも長けており、大学、社会人で急成長した。投手層の厚いチームの中で、存在感を示している。
取材・文=小中翔太

入社1年目の2024年は都市対抗1試合、社会人日本選手権2試合に登板。U-23W杯でも国際試合を経験した[写真=宮原和也]


環境が成長を後押し


 もともと、野球は高校で辞めるつもりだった。名門・東北福祉大から声がかかっても、その時点では、聞いたことのない大学だったという。そんな三重県の公立校出身の選手が現在、所属するのは社会人トップレベルのトヨタ自動車である。

 後藤凌寿はあれよあれよという間に、最速155キロのドラフト候補にまで駆け上がった。

 四日市商高校時代はエース、四番で主将。1年秋に背番号1を着けた。ポジションは投手と遊撃手をこなし、高校通算15本塁打。最速は140キロ超。本気で甲子園を目指すような雰囲気ではない環境の中で、ポテンシャルの高さは際立っていた。伸び伸び楽しくやっていた高校から、大学は全国大会常連の名門・東北福祉大へ。入学時のエースは山野太一(ヤクルト)で3年に椋木蓮(オリックス)がいた。

「すごいところに来てしまったなと思いました。周りの人もすごい高校から来ていたので、最初は自信なかったです」

 それでも・・・

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