1910年創部の明治大学野球部には「人間力野球」というモットーがある。かつて明大を計37年率いた島岡吉郎元監督の指導理念。昭和、平成、令和と継承され、攻守走三拍子そろった外野手は、御大(おんたい)の教えを体現している。 取材・文=岡本朋祐 写真=矢野寿明 
打席に入る前には一度、大きく屈伸をして、バットを1回振るのがルーティンである。心身の万全の準備と集中力を研ぎ澄ませ、相手投手のボールに立ち向かう
全力疾走の徹底
入学から2年間は助監督、そして昨年から監督として指導してきた戸塚俊美監督に、
榊原七斗の持つ野球観を聞いた。
「試合における一塁までの全力疾走です。僕はいつも言っているんですけど、先頭に立って実践してくれている。一塁到達までにアウトとか、ライナーだと抜いてしまってもおかしくないんですが、しっかり最後まで駆け抜ける。1年時から目についていましたが、この秋まで4年間ずっと、きっちりやっていますから。誰でもできることを一生懸命やる姿勢は素晴らしい。それが彼の良さであり、成長につながっている。中心選手がやってくれると、チームが引き締まります」
かつて甲子園、神宮などで
ジャッジし、規律を大切にする元審判員らしい視点だ。戸塚監督は明大中野高出身。「付属高校出身は相手にされなかったんです(苦笑)。入学から1年半、ボールを触ったこともありません」。長い下積み生活。全体練習後、ファウルグラウンドでひたすらサイドノックを受け・・・
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