独特の腕の位置が、最大の武器である。左腕から投じられるキレのあるストレートに変化球の精度も高い。生まれ育った埼玉で、地元の星を目指している。
取材・文・写真=関谷智紀

狙って三振を奪える左腕

「楽しみと緊張とが混ざっていますが、とにかく指名していただけることを願っています」と迎えたドラフトも、支配下での指名はなく表情はこわばったまま。

　育成選手の指名が再開された直後、いの一番に西武から1位指名された。その瞬間、冨士大和は一瞬、その目を大きく見開いて驚きの表情を見せたあと、すぐさま満開の笑顔に。隣に座った飯野幸一朗監督とうれしそうに顔を見合わせたあと、「うわあ、良かったあ」と思わず一言。安堵と喜びがない交ぜとなって顔をくしゃくしゃにした様子は、県立校に通う高校生が見せる率直な喜びそのものだった。

　大宮東高としては・・・