甲子園で春夏連覇という偉業を成し遂げ、国内トップの座に就いている大阪桐蔭高・藤浪晋太郎。その熱も冷めやらぬ中、今度はニッポンのエースとして世界一へ挑むこととなった。大谷翔平(花巻東高)と並び、2012年ドラフトの超目玉となる197センチ右腕は、そこでどれだけの経験値を積み上げたのだろうか。 大歓声に動じず直球でライバル制圧
6位チームからのオールスター先発投手選出には驚いた。4試合(先発3)の登板で2勝。197センチ右腕・藤浪晋太郎の魂の投球が世界から認められた。大阪桐蔭高の同僚でコンビを組む2年生・
森友哉とともに輝いた栄冠。無念のメダルなしに終わった中、明るい話題を送り届けた。「選んでいただいたのは光栄ですが、チームで勝てなかったのが悔しい。今大会は、自分の人生の糧になる」
予選第1ラウンドでは初戦のカナダ戦をタイブレークで落とす。早くも第2ラウンド進出へ黄色信号が灯った、台湾との第2戦で藤浪は先発して2安打完封。小倉全由監督をして「さすが、甲子園優勝投手」と言わしめる快投で日本を勢いづかせると、パナマ、イタリア、チェコと4連勝を飾る。ところが、中3日で先発した第2ラウンドのコロンビア戦は5回3失点降板。
小倉監督は「藤浪なら大丈夫だと思った。失点してチーム全体が動揺した」と、本音を吐露。白星を計算していた一戦での黒星は手痛い。翌日の日韓戦は、負けた方が1―2決定戦進出を逃す文字どおりのデスマッチ。前夜の全体ミーティングで小倉監督は「大丈夫か?」と確認すると、藤浪は「行きます」と即答したという。甲子園準決勝、決勝以来となる連投の先発マウンドは地元・韓国の完全アウェーだ。4点リードの7回裏に2失点し、なおも一死満塁のピンチが続く。
「テーハミング!」
場内を制圧する大歓声にも動揺しない。二死後、この日最速の151キロを計時すると一瞬、静まり返った。「変化球でかわすより、直球で勝負した」。まさに藤浪の真骨頂である「力でねじ伏せる」形で、盛り上がる客席を黙らせた。2失点完投。史上7校目の甲子園春夏連覇優勝投手は、頼もしい談話を残している。
「今夏の甲子園では済々黌(熊本)、昨秋の近畿大会では関西学院(兵庫)の大応援を経験しているので、耳には入りませんでした」

負ければ1-2位決定戦進出の可能性が消える韓国戦。ピンチをしのぎ、渾身のガッツポーズを見せる
大一番で迎えた悪夢のイニング
翌日のアメリカ戦で敗退すれば元も子もない。勝てば決勝、負ければ5-6位決定戦の大一番で、藤浪は当然のようにブルペン待機した・・・
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