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捕手を育てるのは時間がかかる

DeNAと日本ハム、対照的な「高卒2年目捕手」の育成法

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日本ハム・近藤健介捕手のケース


一軍で出場機会がないならば、ファームで徹底的に実戦経験を積ませよう

 日本ハムの次代を担うと期待されている逸材が、2年目の近藤健介だ。173センチ、85キロとプロとしては決して恵まれた体格ではないが、突出した捕手としてのセンスを高く評価されている。高卒ルーキーだった1年目の昨季、20試合の一軍経験を積んだことからも分かるように、英才教育を施されている。今季は開幕二軍スタートとなったが、あえて将来を見据えてという狙いが透けて見える。明確で定評のある球団の先進的な育成プランによる青写真がある。

 基本的に一軍は捕手2人、または3人制。今季は実績十分で脂が乗った鶴岡、大野の2人で開幕からスタートした。力量差が少なく安定感ある2人が一軍にいては、近藤の出場機会は限定される。日本ハムは一定のレベルに達している若手選手に関しては、実戦での出場機会を重要視している。現在は不動の四番に座る中田が1年目は二軍での起用に限定。2年目にイースタンの記録の30本塁打を樹立したことでも分かるように一軍でレギュラー起用のチャンスがないのであれば、二軍で育成という指針で徹底している。

 近藤に関しても同じようなレールを敷いている。栗山監督は開幕一軍に選ばれなかったが「いつかは上で必要になるだろうが、まずは下でやってもらう」と、理由を説明している。外野手の中田以上に捕手は投手とのコミュニケーション、配球など守備面で若手が取り組むべきことが多い。打者としては一軍レベルにあり、代打として活用する選択肢もあったが、見送った。

 球界でも人材難とされる捕手の大器だけに才能を大きく伸ばすという現場、フロントの一致した考えの下で腰を据えて強化することになった。鶴岡、大野のいずれかが故障などのアクシデントでの緊急昇格はあるが、まずはファームで基礎固め。育成戦略どおりに成長をして、近藤が一軍に昇格したときには満を持しての抜てきになる。そのときはきっとレギュラーとして出場する可能性が高いだろう。

▲チームには鶴岡と大野という2人の正捕手がいるため、近藤はファームで実戦経験を重ねていく

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