リーグ連覇を果たした巨人。前政権と合わせて今年が指揮官として10年目のシーズンを迎えた原辰徳監督は、6度目の頂点へチームを導いた。名将と呼ぶにふさわしい結果を残してきた原監督も、言葉のマジックを巧みに使う。今年も原監督の言葉によってチームは躍進したが、その裏側とは――。 文=鷲田康(スポーツジャーナリスト)、写真=桜井ひとし 若手を積極起用できる理由
今年の巨人の強さの秘密に、昇格してきた若手選手の積極的な起用が挙げられるかもしれない。
最も成功した例がプロ6年目の
中井大介内野手だった。
中井は5月19日に今季2度目の一軍昇格を果たすといきなり「二番・二塁」で先発出場。この試合は無安打に終わったが、23日の
楽天戦(Kスタ宮城)で代打に起用され今季1号本塁打をマーク。その後も先発で起用されたが、寝坊で練習に遅刻するという大失態を犯してファーム落ち。
しかし、6月25日に再昇格のチャンスをもらうと、翌26日の
広島戦[マツダ広島]では代打から一塁の守備に入り1安打、さらに同30日の
ヤクルト戦(静岡)で先発起用されると、その後は左投手のときには一番や二番という上位のオーダーでも出場するようになった。
ここで肝心なのは一軍に昇格した中井を、原辰徳監督がすぐに試合で起用して、結果を残させているという点になる。
実はこの「昇格即起用」というパターンは中井だけではなく、ほかの若手選手にも基本的に貫かれている。
その結果、
橋本到外野手や
藤村大介内野手、
坂口真規内野手、投手陣でも
阿南徹投手や
一岡竜司投手ら若手選手が一軍に昇格するとすぐに起用され、起爆剤としての役割を果たしてきたわけだ。
なぜ、そういう積極起用ができたのか。原監督はこう説明する・・・
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