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12球団抽選ヒストリー パ・リーグ編

 

指名が重複した場合、選手の運命を決めるのは小細工なしの抽選である。
そこにあるのは数々のドラマ。
ここからは12球団がドラフト会議で味わった“喜怒哀楽”を振り返っていこう。それと同時に、2003年から過去10年間のドラ1のクジ運も調査。今ドラフトで“勝利”を手にする球団はどこか――。
取材・構成=椎屋博幸
写真=BBM

東北楽天ゴールデンイーグルス
「大成功! 大強運!」
マー君を引き当てた“黄金の右手

▲「楽天1位」に笑顔を見せる田中。その活躍の場は北海道から東北へ移ることになった



 創設9年目で初優勝を成し遂げた楽天。そのドラフト史を語る上で欠かせないのが、初代球団社長・島田亨氏(現取締役)の強運だ。

 球団2度目のドラフト会議となった05年の高校生ドラフトは、1巡目で広島との競合の末に片山博視(報徳学園高)の交渉権を獲得。当日は辻内崇伸(大阪桐蔭高)、陽仲壽(福岡第一高)の抽選で外れ球団が当たりと勘違いする前代未聞の混乱が起きたが、島田氏が引いたのは正真正銘の当たりクジ。シーズンで歴史的な大敗を喫していただけにドラフトの成功にかかる期待とプレッシャーは大きく、広野功GM代行(当時)は「野球の神様が苦しい戦いを見て、楽天を助けろと言ってくれたのかも」と胸をなで下ろした。

 翌06年の高校生ドラフトでも4球団競合となった田中将大(駒大苫小牧高)を獲得。当日の会議開始前に楽天グループのポータルサイトで・・・

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