8月11日から開幕の第96回全国高校野球選手権大会。高校球児ならだれもが憧れる夏の“聖地”を経験した現役プロ野球選手と日本人メジャー選手は290名いる。ここでは関東地区73名の高校時代の写真とともに一挙紹介。当時の思い出を振り返った選手のコメントにも注目だ。 ※夏の甲子園にベンチ入りをしたことのある選手のみを掲載 ※甲子園通算成績は夏のみの通算成績 ※出場がなかった選手は甲子園時以外の写真を使用 ※写真=BBM
大崎雄太朗[西武]

2年春から通算3度の甲子園出場。01年春制覇
常総学院 外野手
春 01年(2年生)優勝
夏 01年(2年生)2回戦、02年(3年生)3回戦
[甲子園通算] 打22安9本0点1率.409
出場できた理由 常総学院は、甲子園で試合前に外野陣はとにかくクッションボールの処理を念入りにやるんです。フェンス際の打球の処理に手間取って負けた年があったからなのですが、今でも甲子園球場のクッションを見ると、「ああ、こんな感じ」と思い出します。2年の春に優勝しましたが、そのときは日替わりでヒーローが出るような感じで、先輩たちがすごかった。僕たちの代は全然強くなくて県大会でもシードがつかないほど。
それでも甲子園に出られたのは……普段は寮生活で外出も許されないくらい厳しいんですが、甲子園期間中だけは試合の日以外は自由時間を満喫できた。みんな、自由になりたくて、勝ちたかった(笑)。そのモチベーションが大きかったですね。(大崎)
杉谷拳士[日本ハム]

1年生で遊撃手としてスタメン出場。準々決勝ではマウンドも経験
帝京 遊撃手
春 07年(2年生)ベスト4
夏 06年(1年生)ベスト8、07年(2年生)ベスト8
[甲子園通算] 打30安8本0点5率.267
一球の大切さ 1番の思い出は、1年生の夏の甲子園ですね。準々決勝の智弁和歌山戦の9回にマウンドに上がったんですけど、先頭打者の初球で死球を与えただけで降板。そのまま、チームも負けてしまいました。本当に1球の大事さを、教えられた試合ですね。兄貴は1学年上で在籍していたんですが、この時はベンチ入りしていませんでした。でも、弟の僕が背番号もらったらボロボロの革手袋を見て「それじゃ、みっともないから」と新しいのを買ってくれたんです。すごく、うれしかったことを覚えています。そんな優しい兄貴だから、次の年の春のセンバツで広陵の野村さん(祐輔、現
広島)から満塁本塁打を打てたのだと思います。僕も兄貴が打って、本当にうれしかったですね。(杉谷)
松本哲也[巨人]

1年生ながら二番・左翼手で先発出場。チームは敗退も1安打1打点
山梨学院大付 外野手
春 ―――――
夏 00年(1年生)1回戦
[甲子園通算] 打4安1本0点1率.250
広く感じた外野守備 1年夏の甲子園は感動しましたね。レフトで出場したのですが、いまは守っていても広く感じないのに当時はすごく広く感じたことを覚えています。ただ、1回戦で樟南と対戦して、「あれ、もう終わったの?」というくらいあっという間に終わってしまいました(1対4で敗戦)。3年夏は山梨の準決勝で負けてしまい、自分たちの代では甲子園に行けず……。春の山梨大会でも圧倒的な強さで優勝していましたから、「行けるかな」と思っていたんですけどね。高校時代に最もキツかった練習は暑さ対策で真夏にグラウンドコートを着ての50メートルダッシュ30本。キツイというか、苦しかった(苦笑)。高校野球はやりたいけど、当時の練習はお金をもらっても嫌です(笑)。(松本)
金子誠[日本ハム]

三番・遊撃のキャプテンはチームプレーに徹し、ベスト4へ導いた
常総学院 遊撃手
春 93年(3年生)3回戦
夏 92年(2年生)2回戦、93年(3年生)ベスト4
[甲子園通算] 打25安7本0点1率.280
横川史学[巨人]

2年春に優勝に貢献。2年夏は2回戦で四番にも。3年夏は三番に座った
常総学院 一塁手、三塁手
春 01年(2年生)優勝
夏 01年(2年生)2回戦、02年(3年生)3回戦
[甲子園通算] 打17安8本0点2率.471
坂克彦[阪神]

3年時は決勝で東北のダルビッシュ[現レンジャーズ]に勝利
常総学院 遊撃手
春 ―――――
夏 01年(1年生)2回戦、
02年(2年生)3回戦、03年(3年生)優勝
[甲子園通算] 打35安9本0点3率.257
小池翔大[ロッテ]

正捕手として打点を挙げたが、守りでは2失策と苦い思いも
常総学院 捕手
春 05年(2年生)1回戦
夏 06年(3年生)1回戦
[甲子園通算] 打5安1本0点1率.200
内田靖人[楽天]

2大会とも全試合フル出場。13年は2本塁打でマンモスを沸かせた
常総学院 捕手、三塁手
春 13年(3年生)2回戦
夏 12年(2年生)2回戦、13年(3年生)ベスト4
[甲子園通算] 通算打25安8本2点8率.320
片岡治大[巨人]

初戦は三番・ショート。2回戦は八番で1安打も、無念の途中交代
宇都宮学園 遊撃手
春 ―――――
夏 00年(3年生)2回戦
[甲子園通算] 打4安1本0点0率.250
佐藤祥万[日本ハム]

07年は3試合で33と圧巻の奪三振数に加え、三番として打率.364
文星芸大付 投手
春 ―――――
夏 06年(2年生)2回戦、07年(3年生)3回戦
[甲子園通算] 試5回37.1奪45責15率3.62
小林正人[中日]

先発し、攻撃でも1四球1犠打と貢献するも、1点差で初戦敗退。
桐生第一 投手
春 ―――――
夏 98年(3年生)1回戦
[甲子園通算] 試1回6.1奪2責5防7.11
井野卓[巨人]

守備のみならず、打線の中心としてもハイアベレージを記録した
前橋工 捕手
春 ―――――
夏 01年(3年生)2回戦
[甲子園通算] 打7安4本0点2率.571
松井雅人[中日]

打っては猛打賞の活躍だったが、リードでは14失点で完敗
桐生第一 捕手
春 04年(2年生)1回戦
夏 04年(2年生)1回戦
[甲子園通算] 打5安3本0点1率.600