
中日からの1位指名に「信じられない。頭が真っ白になった」と驚きを隠せなかった野村
文=中里浩章 写真=阿部卓功 目標は先発ローテーション入り。1年目は新人王を取れたらいい」
187センチ85キロの体格を見れば、力でグイグイ押す投球を想像する人が多いかもしれない。だが、
野村亮介の最大の持ち味は繊細なコントロール。各球種を低めにピタリと集め、内外角の出し入れや前後の揺さぶりで打者を次々と料理するのが真骨頂だ。
そもそも静清高2年時まで、球速は130キロ台半ばだった。冬の体づくりを経て3年春の甲子園では最速145キロまで伸ばしたが、当時から「自信があったのはコントロール」(野村)。聖地では2試合を戦い、いずれも3失点完投と試合を作っている。卒業後は三菱重工横浜(現・三菱日立パワーシステムズ横浜)へ入社。当時の正捕手だった高安健至(現監督)も、「制球力はすでに社会人で通用するレベルだった」と言うのだから恐れ入る。
若い投手の多くはまずスピードを求め、レベルが上がるごとに細かい制球力の大切さを痛感していくものだが、野村の場合は逆。課題は球自体のキレ味であり、ふとした感覚さえつかめば大化けする可能性があった。
1年目は日本選手権のマウンドを経験するなど、まずまずの滑り出しだった。ところが2年目の昨季、カベに当たる・・・
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