毎年恒例の順位予想。今年は各球団のOB20人にお願いし、セ・パ両リーグの順位を予想してもらった。あなたとプロの意見は一致しているか!?また、各氏がキーマンと見る選手も同時に掲載。これらの選手にも要注目だ。 球団別の獲得ポイントは、1位=6ポイント、2位=5ポイント……6位=1ポイントとし、全20名の合計を示したもの。120ポイントが満点。 1位・広島(1位10人、2位6人、3位1人、4位2人、5位1人) 評論家の半数からの1位支持を受け、広島がセ6球団で唯一の100ポイント超えとなった。
「交流戦対策をしっかりしないといけないけど、それ以上にプラスの材料が増えた。交流戦の試合数減もそうだし、
黒田博樹が加入し、チームの雰囲気や、効果というのはやっぱりすごい」(
笘篠賢治)
「投手では黒田、野手では
新井貴浩の加入が大きい。若い選手が多いので精神的支柱になるはず」(
武田一浩)
と戦力だけではない“黒田効果”が支持を集めた。一方、
「黒田の加入は大きいと思うし、勝ち星以上の存在感を発揮するのでは。ただ、四番がいないのが難点」(
金村義明)。
「戦力的には面白いが、監督の経験がなく、オープン戦でもバタバタしているように見えた」(
藪恵壹)
という点を指摘する声もあった。
2位・巨人(1位7人、2位5人、3位7人、5位1人) 昨年までリーグ3連覇中の巨人だが、3位以下に挙げられることも多かった。
「今年はケガ人が多過ぎる。ほかのチームが戦力アップしているのに、去年から見てバージョンアップしているように見えない」(
岩本勉)。
「
阿部慎之助が一塁にコンバートされたことで、守備の柱を失った。阿部の存在感を
小林誠司に期待するのは酷」(
柴原洋)
と昨年から戦力ダウンしているという意見が。しかし、
「昨季に調子が悪い中でも7ゲーム差をつけて優勝した。この7ゲーム差を埋められるチームがいるかと考えると、
阪神も広島もそこまでの強さは感じない」(
高木豊)。
「昨年、あれだけ力を出せない中で優勝まで持っていく力がある。主力が計算どおりに働けば文句なく強い」(
緒方耕一)
と底力を評価する予想者も多かった。
3位・阪神(1位3人、2位7人、3位7人、4位3人 1位票は広島と巨人には敵わなかったものの、2位、3位では最多を集めたのが阪神。
「
鳥谷敬の表情が明るくなり、チームの雰囲気がより良くなった。セ・リーグで唯一抑え(
呉昇桓)がしっかりしている」(
田口壮)。
「
梅野隆太郎がキャッチャーとしてしっかりしてくるなど、若手の台頭が見られてバランスも整ってきたので今季は期待したい」(
山田久志)
とポジティブな意見も多いが、
「鳥谷のメジャー移籍騒動のときに外野手の
大和を遊撃に回そうとしたが、それは選手層の薄さを示している。若手を抜てきするなどの方法で穴を埋めないと」(
里崎智也)
と全体的な層の薄さが不安か。
4位・横浜DeNA(3位3人、4位8人、5位6人、6位3人) 9年連続Bクラス中のDeNAだが、今年は光明が見えそうだ。
「
筒香嘉智を中心とした打線は力をつけてきた。投手陣が頑張れば十分に2位、3位の可能性もある」(
伊原春樹)。
「巨人に去年のような断トツの勢いは見られないので、4位のDeNAまでチャンスがある」(
高橋雅裕)。
「最下位もありうるが、仕上がりが早く、オープン戦も好成績。これはアテにならないが、勢いは大事。ただし、7〜9回を託せる投手がいないのが不安要素」(
大島康徳)
と上位にも下位にも行きそうだ。
5位・ヤクルト(2位2人、3位1人、4位7人、5位4人、6位6人) 2年連続最下位のヤクルトも、ポジティブな意見は多い。
「セでカギを握るチーム。打線は問題ないので、上位浮上には投手陣の頑張りにかかっている。
小川泰弘に続くエース級の若い先発投手が現れるか。
杉浦稔大にはその能力を感じる」(
荒木大輔)。
「新加入した
成瀬善久がそれなりの結果を残せれば、順位は入れ替わる」(
西村徳文)。
「打つだけではなく、今年は投手陣が整備された。やはりケガだけが心配」(
湯舟敏郎)。
2位予想も2票あり、投手陣の出来が明暗を左右しそうだ。
6位・中日(3位1人、5位8人、6位11人) 5位、6位予想が大半を占めた中日は、他チームから大きく離されてしまった。
「先発陣の不安に加え、抑えも
岩瀬仁紀が出遅れていて苦しい戦いになりそう」(
鹿取義隆)。
「岩瀬がいない救援陣、先発陣ともに上位をうかがうには苦しい」(
北別府学)。
「若い選手が伸びているところなので、地盤を作るのが今年なんじゃないか、と思う」(
吉村禎章)。
世代交代の過渡期にあるが、我慢の1年となるのだろうか。
セ注目度ナンバー1(9票)・黒田博樹[広島]
8年ぶりにNPBに復帰した右腕がチームだけでなく、セの主役となりそうだ。
「メジャーでは縫い目の高いボールでツーシームを覚え、今は日本のボールも縫い目の山が高くなっている。本人にとって理想的な環境でニュー黒田を見られるのではないか」(岩本勉)。
「現役バリバリのメジャー・リーガーとして帰ってきて、どういう投球を見せるか。優勝するには黒田の活躍が絶対条件で、その点でも注目」(西村徳文)。
「勝ち星以上の存在感を発揮するだろう。オープン戦での投げっぷりを見ていても、さすがだと感じた」(金村義明)
セ注目度ナンバー2(2票)・鳥谷敬[阪神]&筒香嘉智[DeNA]&杉浦稔大[ヤクルト]
阪神残留を決めてチームの優勝に懸ける主将と、投打で成長が期待される若手が並んだ。
「三番から一番に変わり、鳥谷が阪神のリーダーとしてしっかり引っ張っていけば、チームにも勢いがつく」(山田久志)。
「筒香は侍ジャパンでもクリーンアップが打てる素材。1年間コンスタントに出続けたときにどれだけの成績を残せるか」(鹿取義隆)。
「杉浦が2ケタを勝つような働きを見せてくれればヤクルトは面白い。何とか飛躍してほしい」(大島康徳)