過去3年間は育成選手として3ケタの背番号を背負った。だが、昨オフの中日移籍と同時に念願の支配下登録を勝ち取り、さらには開幕3戦目で一軍デビューも果たした亀澤恭平。ここまで22試合、打率.358、本塁打0、打点3。持ち前の元気とガッツは、変化しつつあるチームの象徴でもある ※記録は4月29日現在 取材・構成=吉見淳司 写真=桜井ひとし 野球は楽しくプレーするもの
入団1年目にもかかわらず、グラウンドで、ベンチで、中心となる存在だ。本人はあくまで自然体だが、チームに好影響をもたらしている。 まだまだよくやれているという手応えはないですね。荒木(雅博)さんに及んでもいないですし、シーズンも序盤なので何とも言えません。
福田(永将)が
インタビューで、「カメは『俺がチームを変える』と言って、いろいろなことをやっている」と言っていた(笑)?
野球は楽しくプレーするものだというのが僕の考え方なんです。去年まで所属していた
ソフトバンクはお祭り球団でした。特にそれをマネしているわけではないですが、中日はBクラスが続いていて、「ソフトバンクとの違いは何かな」と自分の中で比較したときに、そういうところが欠けているんじゃないかな、と。僕の中ではそう感じたんです。
敵チームとして見たときに「中日はあまり元気がないな」と感じていました。例えば得点しても喜ばなかったり、殻に閉じこもってしまっているような印象。特に二軍はそういうイメージがありました。
ただ、僕は自分が楽しくやろうとしているだけなんですが、周りから「明るくなった」と言ってもらえるのは僕にとってはすごく大切だと思います。

前所属のソフトバンク時代「中日はあまり元気がないな」と感じていた
でも、僕のせいだけじゃないと思うんですよね。今はチームが強く勝てているからみんなで盛り上がっているのもあると思います。この先も僕はこのまま変わらないので、負けているときこそ盛り上げられたら、と思いますね。
中日になかったのは例えば、生還したランナーをベンチが迎え入れること。僕は前に出てハイタッチなどをやるようにしています。後はベンチからの声。簡単に言えば大きい声を出したり、面白いことを言ったり、ヒットを打てば祝福したり、ということは今までになかったことじゃないかな、と。
平田(良介)さんなどは乗ってくれるので、一緒に盛り上げてくれる人がいるのはうれしいですね。福田はまだ自分の殻を破れていないですけど……ちょっとシャイなので(笑)。大野(雄大)や堂上(直倫)、福田は一軍メンバーとして同じ舞台に立っているので、この世代で盛り上げられることができれば面白いと思っています。チームを変えていくというよりも、楽しくプレーしたいというのが一番です。
だけど、4月21日の
ヤクルト戦(ナゴヤドーム)では桂(依央利)が初ホームランを打ったんですけど、僕らが喜び過ぎて目立っちゃったという(苦笑)。僕らが主役みたいになってしまったので、後で桂には「お前の大事な初ホームランだったのにごめんな」と謝りました。

「たとえベンチにいてもやれることはたくさんある」と語る
突然の移籍
前所属のソフトバンク内野陣は12球団屈指の陣容。3年間は暗い見通しの中で必死に腕を磨いていたが、転機は自身でもまったく予期せぬ形で訪れた。 中日への移籍の話があったのは、昨秋のみやざきフェ
ニックス・リーグの試合中。確か4回裏くらいにソフトバンクの編成の方に呼ばれて・・・
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