見るからに一級品のボールを投じる大谷翔平だが、どういった点がレベルアップを果たして、打者を圧する投球へと進化しているのか。セイバーメトリクスの観点から探ってみた データ&文=DELTA 写真=湯浅芳昭 「奪三振」「与四死球」「ゴロ割合」すべてで数字が向上
セイバーメトリクスを使った投手の評価方法はいくつかあるが、今回は投手が自分の能力でコントロールできる責任範囲として見なされることが多い「奪三振」「与四死球」「どんな打球を打たせたか=打球管理」という視点から、大谷の成績をチェックしてみたい。
昨年の大谷は639人の対戦打者から179個の三振を奪っており、その割合は28.0%。これは両リーグを通じてトップの数字だったが、今年はこれを上回るペースで三振を奪っている。
四死球の多さは大谷の数少ない改善を要する部分だったが、これも減った。与四死球割合のNPB平均は8%付近なので、現状大谷は平均ラインを超えるレベルに達したことになる。ただし、トップクラスには5%を割るような投手も見られるので、まだ改善の余地はある。
最も大きな変化と言えるのが打球管理だ。打たせた打球がゴロになった割合は昨年比で11%以上の上昇を見せている。4月26日の登板までの65.3%という数字はNPBトップクラスの数字となる。昨年の54.1%という数字も規定投球回到達者の中だとNPB全体で7番目と決して悪い数字ではなかったが、そこからさらに伸ばしたことになる。
今年はNPB全体でゴロが増え、打球に占める割合の平均が2~3%高まった影響もあると思われるが、ゴロ増からは大谷の投球に何らかの進化があったことが強くうかがえる。
ボールゾーンに投げてもスイングを誘うことに成功
三振増、四死球減、ゴロ増。こうした変化がなぜ起きたのか。大谷の投球に対する打者の対応にヒントがありそうだ・・・
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