秋の空に“星”は輝くか――。DeNAが混戦を極めるセ・リーグを制し、17年ぶりVを飾るには何が必要か、そして、どう戦っていくべきなのか。98年のリーグ優勝時に投手コーチを務めていた齊藤明雄氏と、13年まで中畑清監督の下でヘッドコーチを務めていた高木豊氏が、これまでの戦いぶりから、中畑ベイの行く末を徹底討論する! 取材・構成=鶴田成秀、写真=阿部卓功齊 左が齊藤明雄氏、右は高木豊氏
戦力は6球団互角
カギはベンチワーク
齊藤 俺の今季の予想順位で、DeNAは4位か5位だったから、前半戦首位は予想外だったな。若くて良い選手はいるけれど、試合の経験不足があるし、抑え投手がハッキリしない部分があった。でも、抑えは山崎(康晃)が出てきた。大どんでん返しって感じだな。豊はどう?
高木 僕も“首位”というのは予想外でしたよ。3位予想でしたから。ただ、勝率5割という点では、予想どおりかなと。5割で“首位”というのは正直、予想できませんよ(笑)。
齊藤 確かにな(笑)。プロ野球史上初じゃない? ファンの方たちは首位ということだけで喜ばれると思うけど、われわれ、野球関係者からすると、ほかの5球団は何しているの? と思うわな。ところで、豊の勝率5割という予想の理由は何?
高木 投手が育ったということですね。頭数だけですけど。春先から三嶋(一輝)、高崎(健太郎)と、若い選手たちの成長が目立っていた。あとは、打線では四番・筒香(嘉智)という軸ができたということ。それからロペス、
バルディリスが良い。5割以上も予想できたけど、まあ最低ラインの5割でオールスターを迎えられた感じですよね。
齊藤 でも、後半戦はいきなり4連敗スタートだもんな(笑)。
高木 こういう混戦になると、もう戦力的には、どこも互角と見た方がいいでしょうね。その戦力をどう使っていくかのベンチワークがカギになってくると思いますよ。
齊藤 そうだな。投手陣でいえば、リリーフ陣を変えていないけど、各投手の調子や試合展開に応じて、どのようにアレンジしていくか。たぶんベンチは、連投させたくないという考えがあると思うけど、混戦の状況では勝っている試合は、絶対に落とせないから、頭からドンドン良い投手をつぎ込んでいかなければいけないし。故障させたくない気持ちは分かるけど、混戦状況を考えると調子の良い投手は行けるときに行け、と。バテたらファームに落として休ませてやる、というような姿勢にならないと混戦は抜けられないかな。
高木 あとは、勝てるか、負けるか、という見極めですよね。その見極めでリスクを背負うかどうか。勝てる可能性のある試合でリスクを伴うのは仕方ないから、どんどん良い選手を出さないといけない。反対に負けると判断したときは出してはダメ。例えば、1点ビハインドで山崎康を登板させて負ける。これは疲れしか残らないわけですからね。そうすると、疲れがたまって後半に響いてくる。そうした試合中の勝敗の見極めが大事になってきそうですね。
齊藤 それと・・・
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