例えばU-18ワールドカップで日本代表に選ばれた高校3年生うち、半数以上はプロではなく、大学、社会人に進むことが濃厚だ。果たしてドラフト候補レベルにある高校生はアマのユニフォームを着て、プロ入りまで一拍置いた方がいいのか、それともその逆か。元巨人チーフスカウトの中村和久氏に考察してもらった。 高校から飛び抜けて高い技量を擁すこと
高卒でプロに進むべきか。それとも大学、社会人を経由してからプロ入りするか。さまざまなタイプの選手がいるので一概には言えないが、高卒でプロ入りする基準には、技術の評価で大学生、社会人と遜色ないレベルに達しているかどうか。そこが一番重要になる。
桑田真澄、
清原和博、
松井秀喜ら過去に甲子園を沸かせた高校生のスターたちは、高校から飛び抜けていた存在で、技術も高かった。実際にプロでも1年から一軍の舞台で実力を発揮した。こういった選手は18歳でプロの世界に入ることで、長く一線で活躍できる。球団にとっても長くローテーションで回ってくれる投手や、10年以上のレギュラーを張る野手の存在は大きい。中、長期にわたって、チーム編成や計画を立てられる利点もある。松井は高校時代にはプロに引けを取らないスイングをしていたし、ズバ抜けた長打力は15年~20年、一軍で活躍できる選手だと思った。

松井秀喜のように高校時代から高い技術を誇る球児は当然プロに進むのが正解だ
スカウトの立場では、高卒を即戦力と考えることは少ないかもしれないが、数年後を見据えて獲得に乗り出す。例えば、30代後半でレギュラーの遊撃手がいたとする。その選手は、あと数年は毎試合出場することができるが、5年後にその後釜に座る可能性のある若い選手を補強するのがドラフトだ。高卒の選手を獲得し、二軍で2~3年の経験を積ませ、その後に一軍でポジションをつかむ。この繰り返しでチームは戦力を維持していく。現在、このケースに当てはまるのが
阪神の
鳥谷敬。彼は長く一線で活躍しているが、その後釜を育てることが求められる。
1年目からの登板も見込まれるドラフト候補
今年のドラフト候補に挙がる高校生投手に目を向けてみよう・・・
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