いよいよ開幕する日本一の栄冠を懸けた頂上決戦。ここでは日本シリーズ観戦がより楽しくなるさまざまな記録にスポット当ててみたい。第2戦が大事説はウソ、ホームアドバンテージなどない(!?)などなど、「記録の手帳」でおなじみのプロ野球アナリストの千葉功氏による、日本シリーズにまつわる記録集をお届けする。 文=千葉功(プロ野球アナリスト) 『第2戦が大事』説は記録上では根拠なし

監督として6度の日本一を誇る森祇晶氏は「第2戦が大事」と言うが、データ上では――
同じ1勝なら第1戦に勝つのが有利かそれとも第2戦か。第2戦が大事だと主張するのは日本シリーズに選手として13度、監督としても8度出場し、合計19度の優勝経験のある森祇晶氏である。
「第2戦に勝つと、移動日を経て気持ちよく第3戦を迎えられる。それこそ第3戦がホームなら気分よく帰れるし、ビジターなら勇んで敵地に乗り込める」
しかし、丹念に記録を調べていくと第2戦有利の根拠は見当たらない。昨年まで65度の日本シリーズで勝ったチームの回戦別の勝率を見ると、第1戦は40勝23敗2分けの.635なら第2戦は41勝24敗の.631と大差ない。08年から3年続けて第1戦の勝者が日本一になっているが、11年からの日本一チームは12年を除いて第1戦に負けている。1戦か2戦か、どちらが有利かは結論を出せない。
それでも1、2戦を連勝すれば絶対有利なことは間違いない。昨年まで1、2戦で連勝したのは30回あるが、23回は日本一だから確率にすると76.7パーセントだ。過去の日本一チームの成績を奇数戦、偶数戦で分けるとこうなる。
▼奇数試合 149勝62敗4分 勝率.706
▼偶数試合 112勝59敗3分 勝率.655
ここにきて、奇数戦に強いのが有利の線が出てくる・・・
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