過去10年で誕生したドライチ選手(希望入団枠含む)は、全部で154人。各球団ともにスカウト網を整備し、大きな期待をかけての最高位指名だったわけだが、果たしてその成果は?ここでは2006年入団から10年間のドライチ選手をいま一度整理し、その活躍度をチェック。あわせて各球団のドラフト戦略を振り返る。 福岡ソフトバンクホークス(活躍度A)・育成重視の指名方針でチームの幹を育てる

10年入団の今宮は明豊高から入団して4年目の13年以降、レギュラーの地位を確立している
99年に福岡移転後の初優勝を遂げ、00年代は黄金期に突入。親会社が
ソフトバンクに替わった05年以降は、豊富な資金力を背景に即戦力は適材適所でFAや外国人で補うことが可能になった。一方、ドラフトでは「将来、主力になれる選手を獲得して育てる」(
王貞治球団会長)方針を徹底。06年以降の1位入団選手では
松田宣浩、
大隣憲司、
今宮健太、
武田翔太らが、狙いどおりにチームを背負って立つ存在に成長した。
06~08年の高校生ドラフトはいずれも第1回入札が重複し、抽選を外した。06年は
陽岱鋼(
日本ハム)、07年は
大嶺祐太(
ロッテ)、08年は
中田翔(日本ハム)の指名だった。また、09年以降、第1回入札の抽選を外したのは3度。09年は
大田泰示(
巨人)、11年は斎藤祐樹(日本ハム)、14年は
松井裕樹(
楽天)を一番に指名した。今年のドラフトも競合覚悟で
高橋純平(県岐阜商高)を指名し、3球団での抽選をモノにしたように、最近、イの一番はその年のNo.1高校生を指名する傾向にある。
ドライチ戦略に反省は少ないが、将来の正捕手の育成に明確な光が見えていない点が物足りないところ。
北海道日本ハムファイターズ(活躍度S)・その年最高の選手を狙い大きく育てるポリシー

メジャー挑戦を表明していたが説得して入団にこぎ着けた。今季は投手3タイトルの大活躍を見せた
育成型球団の方針は明確だ。他球団の評価、指名時に競合することをまったく恐れずに、その年最高の選手を狙う。育成枠を設けず、獲得した選手に多くの実戦経験を積ませ、大きく育てていくのがチームの方針だ。さらに、過去の
ダルビッシュ有や、将来
大谷翔平がメジャー移籍をすることも考慮した上で、次々と最高の逸材をチームに迎え入れている。
06~08年に大学・社会人枠で獲得した3選手だけはすでにチームを去ったが、そのほかの選手はすべて戦力として現在もチームの力となっている。この10年で最も成功したのは間違いなく、大谷だろう・・・
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