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特集・2015-16 戦力補強最前線
戦力整備は順調?12球団補強状況チェック!パ・リーグ編

 

昨オフ、積極的に補強に動いた2014年のセ・ーグ最下位ヤクルトが、今季のセ王者に輝いたように、「ストーブリーグを制するものがペナントレースを制す」といっても過言ではない。まだまだ移籍市場真っただ中ではあるが、12月第2週を終えた時点での、各球団の補強状況をチェックしていこう

楽天・今江の獲得に成功も四番候補はいまだ不在


[補強ポイント]
・40本塁打を期待できる四番
・計算できるクリーンアップ候補

 チーム85本塁打はパ・リーグ最下位、チーム打率.241、463得点はともにリーグだけでなく12球団ワースト……。そんな克服すべき課題がここまでの補強では間に合っていない。

 2年連続最下位に沈んだチームの最大の弱点は攻撃力の弱さ。梨田昌孝監督が就任時から球団にリクエストしている「40本塁打が期待できる四番候補」の獲得にはいまだ至らず。もちろんチームは水面下で調査しており、12月上旬にアメリカで行われたウインターミーティングに立花陽三球団社長、駐米スカウトらが参加し、各選手の情報収集に努めた。その中で13年に楽天をリーグ優勝、日本一に導いたマギー(現在FA)の動向に注目しているとの情報もある。

マギー。チームの補強ポイントと合致するのがこの男。もし3年ぶりのチーム復帰が実現すれば大きな戦力になる



 広島から自由契約になった栗原健太をテスト入団させ、ロッテからFAの権利を行使して移籍した今江敏晃ら実績ある選手の獲得には成功した。しかし、最も重要なのは長打力に秀でたパワーのある四番打者候補。それには新外国人選手と契約をまとめるしかない。

 メジャーの大砲を探しつつ、日本野球への順応性があるかどうかも来シーズンの成績を左右する大きな要素と言える。14年のユーキリス、15年も66試合で打率.226、7本塁打、18打点に終わったサンチェスはまったく力を発揮できず、助っ人の補強は2年続けて大失敗に終わった。逆に2年前のA.ジョーンズ、C.マギーのように、外国人打者たちが機能すれば、伸び盛りの若手や中堅が多い投手陣に安定感はあるだけに、ペナントでも十分に勝負できる力はある。

 とにもかくにも打者補強が成功しなければ、巻き返しを誓う16年も厳しい戦いを余儀なくされる。

[2015→16決定済み補強状況]
山内壮馬中日 テスト
金無英ソフトバンク テスト
R.リズ 投 パイレーツ FA
川本良平 捕 ロッテ テスト
今江敏晃 内 ロッテ FA
栗原健太 内 広島 テスト

日本ハム・投手陣の穴を埋める外国人の見極めがカギ


[補強ポイント]
・球威のあるセットアッパー
・先発ローテーション候補

 11人の選手が退団した中で、獲得したのはドラフトで指名した8人の新人、コーチ兼任捕手の米野智人と2メートル右腕のマーティンのみ。現有戦力の成長、今季不調だった選手が力を発揮すれば、補強に頼らなくても十分優勝を争えるという考えか。特に外野手争いは激化しており、陽岱鋼西川遥輝も定位置が安泰ではないほど若手が育っている。

 今後の展開を考えても昨オフ同様の戦略なら外国人の長距離砲を狙うところだが、今季は元メジャーのハーミッダが結果を残せずに失敗。守備陣は内外野ともそろっており、DHには大谷翔平近藤健介がいるため、外国人のさらなる補強は野手よりも投手が優先されるはずだ。

 15年の最大の誤算は先発陣のコマ不足だった。先発ローテに計算できたのは大谷、吉川光夫、メンドーサ、有原航平の4人のみ。右ヒジを痛めた上沢直之、調子を落とした中村勝浦野博司が本来の力を発揮すれば、この4人と渡り合うはずだ。

 新加入のマーティンはリリーフ、先発どちらの適性もあるため、起用法の見極めが必要だろう。その上でもう1人異なるタイプの外国人投手を獲得すると予想される。

マーティン。最速155キロの直球を誇る奪三振率の高い右腕。主に抑えも、先発起用が検討される[写真=Getty Images]



 野手では、これまで唯一の補強となる米野には控え捕手に加え、代打要員として勝負強さを期待され、捕手以外に内外野を守れるのも強みとなるだろう。

[2015→16決定済み補強状況]
マーティン 投 ヤンキース FA
米野智人 捕 ヤクルト 自由契約
レアード日本ハム 再契約
メンドーサ 投 日本ハム 再契約

西武・確実に力を発揮する外国人を獲得へ


[補強ポイント]
・先発左腕&中継ぎ投手
・脇谷の代わりとなる存在

 2年連続Bクラスに終わった要因の1つに、新外国人選手が不調に終わった点が挙げられる。その中でも投手だ。先発左腕としてローテーション入りを期待されたルブランは2勝、中継ぎとしてフル回転が目されていたミゲルは4試合の登板に終わり今オフ、この2人に代わる2投手を獲得した。

 まずは韓国・ネクセンからバンヘッケン。14年には20勝を挙げ最多勝に輝くなど、韓国の4年間で58勝をマークした左腕だ。193センチと長身で、奪三振能力も高く、鈴木葉留彦球団本部長いわく「ソフトバンクの和田(毅)を大きくした感じ」。軟投派のルブランは日本球界で苦戦したが、バンヘッケンは真逆の投球スタイルだけに期待は大きい。

 そして、もう1人はC.C.リー。台湾出身の中継ぎ右腕で、13年からインディアンスで通算47試合に登板した。MAX155キロを誇り、渡辺久信SDは「リリーフで1イニングを目いっぱい投げてくれたら面白い」と評価するなど、その馬力がチームにプラスになりそうだ。

C.C.リー。スリークォーターからの力強い直球とスライダーを武器に三振の山を築く[写真=Getty Images]



 そのほか野手ではオリックスから竹原直隆を獲得。チームの弱点を埋める左投手キラーとして十分力になるだろう。野手で言えば脇谷亮太(巨人へ)が抜けた穴は痛い。現有戦力から代わりになる存在が台頭することを待つのもいいかもしれないが、外国人選手などでその可能性を探っていくことも必要だろう。

[2015→16決定済み補強状況]
C.C.リー 投 インディアンス FA
バンヘッケン 投 韓国ネクセン FA
竹原直隆 外 オリックス テスト
郭俊麟西武 再契約
バスケス 投 西武 再契約
メヒア 内 西武 再契約

ソフトバンク・和田獲得で投手陣盤石、大砲2枚の穴埋めは!?


[補強ポイント]
・不足する先発左腕の補充
・松田、李大浩流出の際のケア

 メジャー移籍を目指す松田宣浩と李大浩の動きが最大の焦点。五、六番を担い、合計66本塁打、192打点を挙げたポイントゲッターが流出することになれば、打線の迫力を失う。補強の第一の選択肢は外国人選手の獲得だが、2人の去就が決まらない以上、動くに動けないのが現状だ。

ムードメーカーとしても存在価値の高い松田が流出となれば、チームの根幹が揺らぐ



 現有戦力で両者不在に対応する場合は、内川聖一の一塁へのコンバートがカギを握る。それによって、三塁は吉村裕基江川智晃、外野で長谷川勇也上林誠知を競わせることができれば、2年間、二軍で我慢を続けたカニザレスを指名打者で起用することでメンツはそろう。ただ、固定メンバーの2人がいなくなると、15年以上に、工藤公康監督の選手起用が勝敗を左右することは間違いない。

 投手陣では15年に先発した12投手のうち左腕は2人だけだった。そこから帆足和幸は引退、大隣憲司は左ヒジ手術明けで復帰に向けてリハビリに励んでいる状況。それだけに、和田毅のチーム復帰は朗報だ。

[2015→16決定済み補強状況]
R.スアレス 投 メキシカンリーグ FA
和田毅 投 カブス FA
D.サファテ 投 ソフトバンク 再契約
E.バリオス 投 ソフトバンク 再契約
B.カニザレス 内 ソフトバンク 再契約

ロッテ・内野の底上げが必須、先発のコマ不足は…


[補強ポイント]
・三塁を守れる大砲
・先発ローテの一角

 三塁と二塁のレギュラーだった今江敏晃とクルーズを失った内野の立て直しが急務。また、デスパイネ以外に長距離砲が見当たらないこともここ数年の課題だ。この2点を解決する手段として、期待されるのが三塁を守れる大砲獲得。その筆頭候補で噂に挙がるのが、15年は韓国・サムスンに所属し、48本塁打を放ったナバーロだ。打撃だけでなく、今季は二塁では外国人史上初めてゴールデン・グラブ賞を獲得するなど、内野ならどこでも守れる守備力もある。獲得できれば、鈴木大地中村奨吾高濱卓也三木亮、そしてゴールデンルーキーの平沢大河らで多彩な陣形をとれることも大きなプラスだろう。

獲得が噂されるナバーロ[2012年のパイレーツ時代/写真=Getty Images]



 もう1つの補強ポイントは層の薄い先発陣。イ・デウンチェン・グァンユウは残留したが、1年間フルで活躍できるかは未知数。現時点で計算できるコマは涌井秀章石川歩しかおらず、ソフトバンクを退団したスタンリッジを調査しているが、確定はしていない。

[2015→16決定済み補強状況]
田中靖洋 投 西武 テスト
イ・デウン 投 ロッテ 再契約
チェン・グァンユウ 投 ロッテ 再契約

オリックス・助っ人投手獲得なら右腕よりも左腕を


[補強ポイント]
・リリーフ左腕
・長打のある打者

 今年はケガなどで補強した選手が成績を残せなかったが、来年は頑張ってもらわないといけない。今年はFAでの補強は行わない」と、瀬戸山隆三球団本部長が語るようにここまで目立った補強はなくディクソンとの再契約にとどまっている。昨オフの大型補強でコマはそろっており、彼らの働きを待つ形だが、ただ、中継ぎ左腕のコマ不足は否めない。佐藤達也岸田護平野佳寿はいずれも右腕。左腕は48試合に登板した海田智行のみ。にもかかわらず、獲得を検討しているコープランド(ブルージェイズFA)、コーディエ(マーリンズFA)は右腕。新助っ人を呼ぶなら左腕にすべきだ。

ディクソンとの再契約のみと、目立った補強はない



 欲を言えば打線にパンチ力もプラスしたい。15年のチーム最多本塁打は糸井嘉男の17本。DHで起用できる選手もブランコ以外には見当たらず、ブランコ故障時はDH制を生かし切れなかった。代打としても起用可能なパンチ力のある選手を獲得し、さらなる得点力アップを図りたいところ。

[2015→16決定済み補強状況]
B.ディクソン 投 オリックス 再契約
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