現役最年長の「1973年代」よりさらに前、およそ70世代から「最強世代」を選んでいく。限られたページ数ゆえ、広く浅くはご勘弁いただきたい。 8世代をピックアップ
まず時系列で最強世代候補を選んでいく。明治・大正生まれからいこう。プロ野球草創期ゆえ選手層が薄いイメージがあるかもしれないが、
沢村栄治(
巨人)がエースの「1916年世代」には、300勝投手の
スタルヒン(巨人ほか)も控え、三塁にはミスター・タイガース、
藤村富美男、セカンドに南海の“親分”
鶴岡一人、さらにセンターには“人間機関車”
呉昌征(巨人ほか)と、MVP獲得者が5人もいる。
別所毅彦(巨人ほか)、
大下弘(東急ほか)、
小鶴誠(松竹ほか)がそろう「1922年世代」もなかなかの迫力ながら、明治・大正年代最強は「1916年世代」で異論あるまい。

沢村栄治[巨人/1917年2月1日生まれ]

スタルヒン[巨人ほか/1916年5月1日生まれ]
昭和生まれでは、400勝左腕・
金田正一(国鉄ほか)、サブマリン・
秋山登(大洋)のダブルエースを擁する「1933年代」が遊撃に牛若丸・
吉田義男(
阪神)、三塁には怪童・
中西太(西鉄)と攻守のバランスもいい。そして、その2年後が「1935年代」だ。エースには最強のサブマリン・
杉浦忠(南海)。これを左腕の快速投手・
梶本隆夫(阪急)、江戸っ子投手・
土橋正幸(東映)が支え、捕手はあの
野村克也(南海)だ。打線も三番に天秤棒打法・
近藤和彦(大洋ほか)、四番にはミスター・プロ野球・
長嶋茂雄(巨人)、野村を五番、さらに怪力・
森徹(
中日ほか)を六番に置けば、歴代屈指の破壊力を持つ強力打線となる。
戦後はベビーブームが起こり、いわゆる“団塊の世代”たちの時代となる。「1946年世代」が多彩だ。投手は魔球スライダーを駆使した
成田文男(
ロッテほか)、闘志の男・
星野仙一(中日)、左腕・
高橋一三(巨人ほか)。捕手が
田淵幸一(阪神ほか)で、
広島の
山本浩二、
衣笠祥雄、ロッテの
有藤通世とレジェンドが並ぶ。「1947年世代」にも投手に近鉄・
鈴木啓示、巨人・
堀内恒夫、大洋・
平松政次、
ヤクルト・
松岡弘ら60年代、70年代の各球団のエースがずらり。打線がまたすごい。世界の盗塁王・
福本豊(阪急)、ヤクルトの小さな大打者・
若松勉、中日のヒットメーカー・
谷沢健一、南海ほかの不惑の大砲・
門田博光、最強助っ人リー(ロッテ)、阪神の鬼平・
藤田平と左の強打者がこれでもかと続く。逆に右打者不足とも言えそうだが、投打ともに層の厚さではピカイチだ。

鈴木啓示[近鉄/1947年9月28日生まれ]

平松政次[大洋/1947年9月19日生まれ]

堀内恒夫[巨人/1948年1月16日生まれ]
その後も強力世代が続くが、前年までの最高齢世代「1965年世代」がなかなかユニーク。投手陣には
山本昌・・・
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