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2016年序盤戦通信簿

クローズアップ 復活を果たした2人の若武者

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楽天・釜田佳直/手術を乗り越え先発の柱へ



「3度目の正直」で手にした今季初勝利だった。これまでに先発した2試合で勝ち負けは付かず。そして本拠地で迎えた4月10日の日本ハム戦。相手エース・大谷翔平と投げ合い、7回を4安打無失点に抑える。「大谷君はいい投手なので1点勝負になると思っていた」。見事な投球で1対0という薄氷勝利の立役者となった。

 ルーキーイヤーの12年に7勝4敗と好成績を残すも、2年目途中に右ヒジを疲労骨折して同年オフに手術。そして14年3月、今度はトミー・ジョン手術を受けて長期離脱する。15年8月、716日ぶりの復活勝利を挙げたが、1勝止まりだった。迎えた16年、開幕先発ローテーション入りは自身初となるが、未知なる領域でたくましく戦い続けている。

 直球は140キロ台前半ながら、カットボールやツーシームで芯を外す投球術が光る。「現状ではエースの則本よりいい」と指揮官の信頼も厚い。右腕の先発2本柱として、2年連続最下位のチームをけん引する。


中日・福谷浩司/竜の守護神へ再スタート



 つかみ損ねた場所を、今季はしっかりと自分のものにしている。左ヒジ痛のために全休した守護神・岩瀬仁紀に代わり、2015年シーズンは不動のクローザーとして期待された福谷浩司。だが、序盤からリリーフ失敗の場面が目立ち、8月2日に登録抹消。ファームで苦悩する日々が続いたが、岩瀬から「何で俺のせいにできなかったんだ。人のせいにすることができたらまた変わったかもしれないぞ」と声を掛けられたことで新たな考え方ができるようになった。

 それまでは完ぺき主義で、考え込み過ぎるきらいがあった。しかし春季キャンプでは休日にチームメートとゴルフに出かけたり、練習では手の感覚が合わないという理由から避けていた新品のボールや、汚れているボールでも投球練習をするように。気持ちに余裕を持てるようになったことが、精神面の成長につながった。今季こそ、希代の守護神と真っ向勝負。最終回を譲るつもりはない。

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