取材・文=岡本朋祐、写真=大賀章好 霧ケ丘高との県大会2回戦は、横浜高の本拠地・長浜グラウンドだった。六番・右翼で先発した
藤平尚真は5回終了時のインターバルを利用して、三塁側ブルペンで調整を始めた。7回から救援すると、オール直球で三者連続三振を奪った。目的は明確だ。「周りからは『速い』とは言われますけど、空振りを取れる真っすぐではないんです。バッターが真っすぐと分かっていても、打てない球質を目指している」。背番号1を着けた昨夏は県大会決勝で、全国制覇を遂げる東海大相模高に敗退。同夏限りでの勇退を発表していた名将・渡辺元智前監督(現総監督)に、有終の美を飾らせることができなかった。
3月24日、日大三高[東京]との練習試合で自己最速を1キロ更新する152キロをマーク。昨秋の屈辱から一冬を越えて、確実に成長している
雪辱を期した同秋は県大会優勝。しかし、センバツ出場をかけた関東大会では常総学院高(茨城)との1回戦で敗退する。藤平は痛恨の逆転2ランを浴びた。「あの試合を終えてから、冬場は悔しさを忘れないで練習した」。下半身のウエート・トレーニングと体幹強化で体重は7キロアップ。足腰が安定したことから、渡辺総監督からの助言で、左足を高く上げるフォームに改良した。打者との間を作るのと、スムーズな体重移動でより、キレのある真っすぐを投げる意図があった・・・
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