材・文=上原伸一、写真=佐藤博之 今春の首都大学リーグ開幕日。
佐々木千隼はネット裏に集結した日米12球団のスカウトを前に、名刺代わりの投球を披露する。日体大相手に3安打11奪三振完封。最速は3月のオープン戦(対創価大)で記録した自己最速に並ぶ151キロを計測。すると翌週の帝京大1回戦ではタイブレークに突入した延長13回まで1人で投げ、個人成績に関係する12回で20奪三振。参考記録ながらリーグ最多を1つ上回る数だった。佐々木は「三振の数にこだわりはありませんが、昨秋より真っすぐが良くなっている感じはある」と話す。
昨春からスコアラーとして全投球を見てきた笠羽渉太郎と荒堀祐希の両4年生も「球質が明らかに違う」と口をそろえる。2人はさらに「良いときは浮き上がってくるように見えるが、キレが増した分、それがより顕著になった」と明かす。真っすぐの球質が上がった要因の1つが今春のキャンプで、ボールの握りを修正したこと。人さし指、中指、親指の3本の指を縫い目に引っ掛けて握るのが基本とされているが「僕は野球を始めた小学2年の時からずっと指の腹で握っていたんです」。修正の結果、指がボールにかかるようになり、スピンが利くようになった。

帝京大1回戦では参考記録ながら、12回で20奪三振と首都大学リーグで存在感を示している
佐々木が真っすぐの握りを直したのは昨年2月に桜美林大の特別コーチに就任した元プロの
野村弘樹氏のアドバイスがあった・・・
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