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無敵の若鷹軍団特集

独走を許すな!パ5球団は鷹包囲網を作れるか!?

 

すさまじい勢いで日本ハムが猛追するも、いまだソフトバンクのVロードに大きなほころびはなく、1球団の力のみで牙城に迫るのは決して容易ではない。果たして5球団で「包囲網」を敷き、独走を止めることはできるのだろうか。

日本ハム・一丸で進む“奇跡”への道


 絶対的王者を猛追し、大まくりへと一丸で進む。日本ハムが打倒ソフトバンクの1番手として急速度で名乗りを上げた。交流戦終盤から負けなしで、破竹の15連勝。最大で11.5も開いていたゲーム差を一気に詰めた。

 ロッテと2、3位争いをしている状況でも栗山英樹監督は開幕から一貫したスタンスを貫く。「2位とか3位でなんてそんなレベルでまったく勝負していない。上しか見てない。俺はずっとソフトバンクしか見ていないよ」と堂々宣言する。

 追撃のための機が熟し、視界にとらえ始めた。昨シーズンは2位ながらソフトバンクに記録的な12ゲームもの大差をつけられた。中田翔は「あの悔しさは忘れていない。それはみんなも同じだと思う」と言うほど、今もファイターズナインの脳裏には悔しさが焼き付いている。

 その屈辱からスタートしたのが今シーズンだった。06年から昨季までの10年間でプレーオフでの勝者が優勝だった10年を含め、長丁場のペナントレースのトップの座を4度ずつ分け合ってきたパ・リーグ内における最大のライバル。昨季は交流戦終了時まで1位をキープしていたが、失速して独走を許してしまった。就任5年目を迎えた栗山監督が「どうしたら、あのソフトバンクに勝てるのか。オフもずっと考えてきた。そこを何とか倒さないと」と思案して今季の開幕を迎えた。

 それを実現するために近年のストロングポイントだった機動力重視のスタイルに、アレンジを加えた布陣が機能を始めた。圧倒的な攻撃力を誇るソフトバンク。その対抗策として相手と十分に渡り合えるような力強さ、破壊力を打線に求めた。スケール感ある若手を積極的に登用。伸び悩んでいた西川遥輝、また開幕直前の故障で離脱した岡大海を6月下旬から昇格させ、積極的にレギュラーに組み込んでいった。この2人の象徴的な特長は長打も期待でき、なおかつ快足選手という点。ほかのレギュラー格にもチームリーダー的な役割も担う3拍子そろった陽岱鋼、経験豊富な田中賢介、クセ者で昨年の盗塁王でもある中島卓也。個性あふれ、足も使える選手を並べることに心血を注いだ。

 スピード以外にもパワー勝負でも今季はソフトバンクに決して負けていない。中田とブランドン・レアードの大砲2枚に、進化が顕著な打者・大谷翔平。栗山監督とフロント陣が熟考の末に導き出した答えが、現在の“14連勝ラインアップ”だ。

ミラクルVへの期待感


 ほぼ固定に近いメンバーだが、リードオフマンの一番バッターには陽、西川、岡で戦況を読みながら日替わりの形でチョイス。また、チャンスに強い田中賢を15年ぶりに中田の後の五番に据えるなど絶妙な用兵もスパイスとなった。10日現在でチーム打率.272、73盗塁はリーグ1位。76本塁打もソフトバンクを上回るトップの数字。開幕前は故障者続出の誤算もあったが、目論みどおりの仕上がり。ソフトバンクと胸と胸を突き合わせて戦えるまで、試合を重ねるたびに機動力と長打力を兼ね備えたチームに成長。栗山監督がかねてから目指してきた野球。それが成熟のときを迎え、洗練されてきている。

 真っ向勝負の土台となる投手陣も整った。先発陣はエースの大谷を軸に、それに匹敵するほどの安定感を誇る2年目の有原航平が2本目の太い大黒柱に急成長。大谷の陰で目立たないが、有原はソフトバンク戦で3勝をマークする活躍で鷹打倒のキーマンになりつつある。また現在の好調を支えているもう1つの大きな存在が3年目の高梨裕稔だ。

 開幕からケガ人が続出したチーム事情で先発からブルペンへ回っていたが、交流戦突入後に本来の適性の先発へと再び配置転換。以後4戦3勝と、ハイペースで白星を供給し続けている。そんな高梨の今シーズン最高の仕事は7月1日のソフトバンク戦[ヤフオクドーム]。7回を11奪三振無失点と完璧にホークス打線を封じ込めて快勝。「大事な試合ですし、自分にとってもチームにとっても大きい勝利でした」。重要視していたこのカードの初戦でこれ以上ない勢いを呼び込み、その後、有原、大谷とつなぎ、敵地でソフトバンク相手に圧巻のスイープをもたらす大きな原動力となった。

 誰も予想しなかった逆転劇へ向けて――。まだまだ王者ソフトバンクの背中は遠いかもしれないが、着実にその距離は狭まりつつあり、怒濤の勢いで突っ走るヤングファイターズなら、プロ野球史に残る奇跡のミラクルVを起こせる期待感はいま日増しに高まっている。
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