いくつもあった勝利への伏線
勝利を確信した
日本ハム・
大谷翔平は、二塁には向かわずに一塁ベース後方で両手を突き上げ、バックホームの送球を見送った。その視線の先で
西川遥輝がホームへ滑り込む。球審が「セーフ」の判定を下したときにはすでに、日本ハムナインのほとんどはグラウンドへと飛び出していた。

10回裏二死二塁、2ストライクと追い込まれながら、内角低めの難しい真っすぐを反応で右前にサヨナラ安打を放った大谷。さすがスターだ。日本ハムナインも一塁上で抱き合い喜びを爆発させた
勝利への伏線はいくつもあった。
広島先発・
黒田博樹が両太もも裏の張りなどにより6回二死で降板し、ヘーゲンズが緊急登板。中継ぎが減ったために
大瀬良大地がイニングまたぎをしなければいけなかったこと。それまで不振だった四番・
中田翔が1対2の8回に、一時は逆転となる打つ三番・大谷と勝負せざるを得なかったこと。10回二死一塁から一番・西川が盗塁を成功させ、単打で生還できる状況だったこと。しかしそれらをつなぎ合わせて“ドラマ”として完結させたのは、スター・大谷だった。
「長打は打たなくていい場面。インコースにカットか真っすぐか、低めのフォークボールの二択しかなかった。ある程度詰まっても落ちればいい。インコースは苦手じゃないし、反応でいけると思った。しっかり打てたということは自信になる」
緊迫の場面の中で冷静さを保っていた大谷・・・
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