2004年のアテネ五輪、準決勝。日本代表は1対0で豪州代表に敗れて、金メダルの夢を打ち砕かれた。第4回WBCでも豪州は1次ラウンドで日本と同じB組に入ったが、決して侮れない相手だ。その豪州を率いるのがジョン・ディーブル監督。MLBの環太平洋地区担当スカウトも歴任し、日本選手の技量も熟知している指揮官にWBCへ向けての秘策を聞いた。 取材=前田恵 戦略は「勝つこと」だけ
──まずはWBCをどう戦うか、基本的な戦略から教えてください。
ディーブル われわれの戦略は、WBCでも、ほかの大会でも、まったく変わりません。「勝ちにいくこと」、ただ一つ。豪州では野球という競技に充てられた予算が限られているため、その中で最善を尽くすしかありません。幸いにもワタシは(MLBレッドソックス-現ドジャースで環太平洋地区担当スカウトを歴任して)日本人選手については詳しく知っています。ワタシが彼らのプレーを生で多く見ていることは、大きなアドバンテージになるはずですよ。2004年、アテネ五輪の準々決勝で日本を破り、銀メダルを獲得したとき以上に、良いゲームができると思います。同じグループのキューバとも、あちこちで試合をしてきていますし、中国のことはあまりよく分かりませんが、とにかく勝つだけ。相手が日本だろうがキューバだろうが、台湾だろうが、どこが相手になっても、われわれの戦略は「勝つこと」だけです。

予選を勝ち抜いてWBC本大会出場を決め、喜びに沸く豪州代表/写真=Getty Images
──チームの“キーマン”を教えてください。
ディーブル 今回のチームには、良いピッチングスタッフがそろっています。アスレチックスのリアム・ヘンドリックス、(MLB)タイガースのワーウィック・ソーポルド、14年
楽天イーグルスにいた
トラヴィス・ブラックリー。それに若手も
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