日本代表選手を食事面から支えているスタッフがいる。侍ジャパンをサポートしている株式会社明治の管理栄養士・大前恵氏だ。約3年前から侍トップチームの食事&栄養管理に携わり、栄養補給などでベンチ裏に「プロテインバー」を設置するなど、最高のパフォーマンスを魅せるための縁の下の力持ち的な存在だ。今回のWBCにも帯同する大前氏に、侍ジャパンの栄養管理法などの話を聞いた。 取材=椎屋博幸・坂本匠、写真=矢野寿明、取材協力・写真提供=株式会社明治 
2009年以来の世界一奪還を狙うため、チーム一丸で戦う侍ジャパン。悲願達成のために選手たちの体をサポートしている心強いチームが後ろにいる/写真=2015年プレミア12
侍ジャパンの管理栄養士が語る。食事から作り出す最高のプレー・パフォーマンス
■高い栄養学知識を代表選手が共有している 心技体の中で一番重要な部分は「体」だ。体がしっかり出来上がってから心と技がついていく、と複数の野球解説者に聞いたことがある。最高の体を作り上げることが、最大で最高のプレーと技を生みだすのだ。
最近よく耳にする「プロテインバー」と言う言葉。2013年に
小久保裕紀侍ジャパン監督誕生後、代表を経験した選手たちが口にするようになった。現在、侍ジャパンには「プロテインバー」が常設され、栄養面でも、コンディショニングチームの中でしっかり管理されている。
2013年11月、小久保ジャパン最初の台湾遠征時、食事環境が悪かったことで、侍ジャパンのスタッフが改善を図るため、侍ジャパンのスポンサーを務める株式会社明治に依頼。管理栄養士の大前恵氏がその任を受けたのだ。
大前氏は、
楽天(以前は
巨人も)などで管理栄養士として約15年間アドバイスを行ってきた経験を持つ。その中で、どのような食事環境にすれば選手たちのパフォーマンスが上がるのかというスポーツ栄養学的見地からのデータなどを持っており、その中で侍ジャパンの遠征や強化試合などでホテルでのメニュー調整を行うことから始まった。
その延長線上で、足りない栄養素を補うため、また、試合中に即時に栄養を補給する流れでベンチの裏に「プロテインバー」を設置した。もともと大前氏のアドバイスの下で栄養管理をしていた巨人や楽天の代表選手などはこのバーになじんでいたが、ほかのチームの代表選手たちは初めて経験するものだった。
「代表に選ばれる選手たちというのは、スポーツ栄養学を知らなくても体は出来上がっています。しかし、各プロテインの・・・
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