WBCの幕が上がる中で、12球団は迫るシーズン開幕に向け、着々と先発ローテーションを整えつつある。まずは開幕投手にスポットを当てながら、各チームの先発投手最新事情を探っていこう。特集の巻頭を飾るのは、3年連続で開幕投手の大役を任されるカモメのエース涌井秀章だ。 取材・構成=杉浦多夢、写真=上野弘明、高塩隆、BBM “変わらない”ために変化したアプローチ
現役投手の中では最多となる通算8度目の開幕投手──。西武で5度、そしてロッテでは今シーズンの開幕戦で3年連続3度目となる栄誉だ。活躍の場を移しても、チームのエースとして君臨していることに変わりはない。伊東勤監督も「一発目に行かせる意味は、ワクも分かっている」と厚い信頼を寄せる。だが、30歳を超え、13年目のシーズンを迎える背番号16に一切の気負いはないようだ。 ──2017年シーズンも3年連続で開幕投手を任されます。伊東監督にはどのような形で告げられたのでしょうか。
涌井 春季キャンプに入ってから、ウォーミングアップの途中くらいにふらーっと監督が僕のところに来て、さらーっと言われました。
──やはり気が引き締まりましたか。
涌井 いや、「は~い」くらいの感じでしたね。いつもそこを目指してやっているので、言われたから気持ちが変わるということはありませんでした。
──開幕投手というのは譲れないポジションなのでしょうか。
涌井 昔はそうでしたけど、今はチーム全体が若いので、若い投手たちも開幕戦で投げるということを早く味わっておいたほうがいいな、というふうに思っています。一度、開幕投手を経験すれば、なかなかそれを超える緊張感というのはシーズン中に出てこない。それはすごく必要なことだと思うので、(ほかの投手も)投げられるなら投げたほうがいい。
──開幕戦はヤフオクドームでの
ソフトバンク戦になります。
涌井 プロになって13年目になりますからね。(ソフトバンクとは)もう何度も対戦しているし、一昨年も開幕戦(2015年3月27日/ヤフオクドーム)で投げているので(6回無失点で勝利投手)、いまさらソフトバンクだからどうこうというのはないですね。
──開幕戦からの逆算で調整されていると思いますが、オフからキャンプにかけて何か変化を求めた部分はありますか。
涌井 特にこれをやったというのはないですけど、このオフは前年のオフよりも・・・
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