アマチュア時代はサード、ショートがメーンだった菊池。しかしプロではセカンドでさらに才能を開花させることになる。ポジション奪取の決め手は何だったのか。前監督の野村謙二郎氏にレギュラー定着の秘話を聞いた。 取材・文=吉見淳司、写真=BBM 
入団1年目の菊池。当時からのみ込みの速さは群を抜いていた
当初の想定は内野のオールラウンダー
入団当初(2012年)、沖縄での春季キャンプでノックを受けているところを見るとムダな動きがあったり、捕球の際にグラブを上から出すなどのクセもあったのですが、指摘するとすぐ直すことができる。「そうそう。その捕り方だよ」というのを次の1球でも、10分後でも、翌日でもできる。当時一軍野手チーフ担当だった高(
高信二)コーチ(現ヘッドコーチ)と「こいつ、言ったらすぐできるな。こんなヤツも珍しいぞ」と会話したことを覚えていますね。
初めからセカンドと決めていたわけではなく、サードもショートも守らせていました。ルーキーがいきなりレギュラーにとって代わるというのは簡単ではありません。もしポジションに空きができた場合、そこにはめ込むというケースのほうが多いでしょう。ですから、内野ならどこでも守れるオールラウンダーという位置づけでしたね。
しかし当時、二塁のレギュラーだった東出(
東出輝裕、現打撃コーチ)が6月に打球を右手中指に当てて骨折するアクシデント。そこで菊池をセカンドで起用したのがきっかけとなりました。
セカンドとしての動きに違和感はありませんでしたが、菊池は肩が強いので、高コーチとは何度も話をして、ショートでの起用も検討していました。しかしずっとショートのレギュラーだった梵(
梵英心)をコンバートするのは難しい。チーム編成を考えた上でセカンドとしての起用を続けました。
セカンドに固定するようになった一番の理由は・・・
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