今夏、最後の甲子園出場のチャンスをつかむため、白球に全力を傾ける「超高校級投手」が全国各地に潜んでいる。まずは石垣島出身で、投げては最速152キロ、バットでは規格外の飛距離を誇る沖縄の怪物だ。 取材・文・写真=仲本兼進 
最速152キロのストレートは力強さがあり、2017年の高校生最速を誇る。全国舞台とは縁がなく、2006年夏以来、離島からの甲子園を狙っている
173センチ80キロ。身長を考えれば恵まれた体格をしているわけではない。しかし、マウンドで見せる強烈なオーラは見る人の心を虜にする。投げれば150キロの速球を見せ、打者としては高校通算20本を超える本塁打を放つ。
平良海馬は今夏を前に、大きな注目を集めている。
春の県大会、八重山商工高は部員7人(3年生4人、2年生3人)で、宮古工高(6人)との連合チームで出場した。平良は中部商高との1回戦で先発。常時140キロ台を計測し、6回に自己最速の152キロ。球場内はどよめきと指笛が鳴り響いた。昨秋に145キロを記録したことですでに脚光を浴びていたが、一気に大台を突破できたのは理由があった。
「秋の大会以降、全体練習を終えた後に筋トレをしています。胸や腕、背中といった上半身や下半身を重点的に鍛えた結果、球速も上がった」
野球部先輩の助言でウエート・トレを始め、急速に能力を高めてきた。
「試合中は集中して投げていたので、周りがザワザワしていたのも、よく分かっていませんでした。マウンドを降りてから球速の話を聞いて、『それでか』と(笑)。150キロを出すことは意識していたことだったので、結果に結びついて良かったです」
打者としての素質も兼ね備えている。毎年1月、沖縄県内の野球部員が参加し身体能力の高さを競う「野球部対抗競技大会」がある。1年時に打撃部門で出場した平良は、飛距離122メートル93センチで、圧巻のパワーを見せつけた。
「自分は当たれば飛ぶと思うんですが、バットに当てることがなかなかできなくて……苦手です。ただ打席に立てばフルスイングをすることを心掛けていて、練習からも全力で振り、ホームランを目指す練習をしています」
沖縄本島から約400キロの石垣島(石垣市)にある八重山商工高には連日、平良を見たさにプロや大学などのチームの関係者が訪れている。
「スカウトの方が来ているのは知っています。やっぱり、意識しますよね。高いレベルで野球がしたいので、体を壊さないようにし、自分のできることをアピールするようにしています」。プロ志望を固めており、NPB各球団もリストアップする存在だ。

ロングティーで125メートルを飛ばすという“逸話”がある。パワーあるバットでもNPBスカウト注目の的だ
投打で注目を浴びるが、平良は投手としての能力を伸ばそうと心掛けている。
「バッティングも見てほしいのですが、メーンはピッチャーかな、と思っています。実際にスカウトの方々は自分が練習にマウンドに立っているとき以外には・・・
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