チーム在籍6年は、1977年~82年のジム・ライトルと並ぶ球団最長記録。“カントリー”の愛称でチームメートやファンから愛される心優しきスラッガー・B.エルドレッドが、広島への思いを語る。 取材・構成=吉見淳司、通訳=西村公良(広島東洋カープ)、写真=佐藤真一 素晴らしい一、二、三番をホームにかえしたい
──今季は5月15日現在で打率.336、10本塁打、29打点の好成績を残しています。状態はいかがでしょうか。
エルドレッド とてもいいスタートを切れたと思っているよ。そしてそのいいスタートの状態を続けられているので、ここまではいい感じだね。去年もいいスタートだったんだけど、体の状態もあって波が大きかった(右大腿二頭筋挫傷のために6月から約2カ月登録抹消)。今年は体は問題ないし、だから結果がついてきているんじゃないかな。この調子をシーズンを通して続けていきたいね。
──10本塁打はセ・リーグでトップの成績です。
エルドレッド ボクにとってホームランは、自分の役割の中の一部、ゲームの中の一部だと考えているんだ。重要度という意味ではあまり高くはない。ホームランに重きを置いてしまうとバッティングのバランスを崩してしまうこともあるからね。もちろん、みんながホームランを期待しているだろうし、大きな部分を占めていることに違いはないけど、そればかりにとらわれてしまうと集中力を持続できない。あくまでも一部だと考えて、しっかりとボールにコンタクトしていければいいと思っているよ。

今季は4月12日の巨人戦[東京ドーム]、5月5日の阪神戦[甲子園]、5月13日の巨人戦[マツダ広島、写真=佐藤真一]と1試合2本塁打を3度記録。3年ぶりのホームランキングも可能性十分だ
──得点圏打率は.410。その言葉どおり、堅実に走者をかえすバッティングも持ち味です。
エルドレッド バッターボックスに入るときにランナーがスコアリングポジションにいると、「よし、やってやるぞ」とワクワクするね。特にウチのチームの一、二、三番(
田中広輔、
菊池涼介、
丸佳浩)はとてもいい働きをしているし、ボクの前に塁に出てくれる。そこで打席が回ってきたら、何とかかえしたいと思って打席に立つよ。打点を挙げることがボクの仕事だからね。彼らが塁に出てくれることでボクもしっかり集中できる。今の打線の中で、一、二、三番が活躍してくれているから、チームの得点力が上がっている。どういう形でも彼らをホームにかえそうと意識しているよ。
──昨年からの印象ですが、軽打と強打をうまく使い分けているように感じます。実際に三振は減り、四球は増えているのですが、何か意識の変化があったのでしょうか。
エルドレッド それは一部は正しいけど、一部では・・・
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