若手が多い阪神が首位争いを繰り広げている。強力投手陣の存在も2位につける要因だが、攻撃陣ではキャプテンを務める40歳の福留孝介の存在も大きい。今年は積極的に若手にアドバイスを送る場面も見かける。それにより、若手も思い切ってプレーしているという好循環が生まれている。若手とともに頂点を目指すため、福留は自分の経験のすべてを伝えようとしている。 取材・構成=椎屋博幸、写真=早浪章弘(インタビュー)、BBM ※成績・記録は6月3日時点 言葉で的確なアドバイスを打席では役目を果たす
今シーズン、主将の座を託された。福留は気負うことなく、自然体で若手選手たちにアドバイスを送っている。それは試合中でもだ。昨年から一軍メンバーとして起用された若手と接することで、一人ひとりの性格を把握したことが大きい。その的確なアドバイスが、現在のチームの位置を保っているとも言える。 ──シーズン50試合近くを消化しました。チームは首位争いをしていますが、雰囲気はいかがでしょうか。
福留 悪くはないです。明るく、その中でも締めるところは締めているという感じですよ。
──
中日時代に何度か優勝を経験されていますが、そのときの雰囲気と比べていかがでしょう。
福留 ん~~そういう雰囲気のときもあったり、そうじゃないときもあったり(笑)。まだまだチームの中に波があると感じています。
──大逆転勝利あり、エラーの負けありなど今年はいろいろな流れがあります。チーム全体が不思議な雰囲気になっているのでしょうか。
福留 不思議と言えば不思議ですよねえ。それも去年の経験からきているといえば、そこからきているでしょうし……見ているファンにとっては面白い展開でしょうし、面白いシーズンになっているとは思います。ただやっている(プレーしている)われわれは必死ですからね(笑)。
──その中で、今年も四番を任されています。今年の四番像というのは、昨年と変わらない。
福留 今年も(四番として)自分が何とかしないといけないという状況がきた場合には、自分はその役目に徹しようと思っています。そして、若手の選手には、そういう部分を感じてもらえたらいいな、と望みながら打席に立っています。
──若手にアドバイスを送る場面が増えたように思います。
福留 僕の中で、そこは何も変わっていないんですよ。阪神に移籍してきたときから続けていることですしね。その中で、球場内でよく見られるというのは、その瞬間に感じたこと、試合中に感じたことをすぐに言っているからでしょうね。そのときすぐに言うことで、相手にもダイレクトに伝わるし、その言葉は忘れないと思うんですよ。
──確かにそうですね。
福留 試合後に「あのときのあの場面なんだけど……」と話をしても、そのときの感情までははっきりと思い出せないときがある。そう思うと、状況によっては、その場で言っておいたほうがいいときがありますからね。
──若手選手へアドバイスが必要だというとき、言葉を掛けるタイミングは考えているのでしょうか。
福留 これだけ長く一緒にいるわけですから、性格は分かっているつもりです。その選手の性格も考えながらの言葉掛けをしています。まあ、いろいろと多くの選手たちに声を掛けるようにはしています。
──昨年多くの若手が起用されました。その中で、各選手の特徴も性格もつかんだのですね。
福留 それはもちろんありますね。若手の中には、ゲーム中に話も聞いていない選手もいますから。もちろん、僕の話を聞かないということで・・・
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