「甲子園の申し子」と言われたPL学園高・清原和博の数字を32年ぶりに超えた。2017年夏、チームを準優勝へ導いた広陵高・中村奨成は自身初の甲子園で大暴れし、個人大会本塁打を6本に更新。17打点、43塁打でも大会記録を塗り替え、安打(19)、二塁打(6)、最多試合連続本塁打(3)でもタイ記録と、多くのインパクトを残した。 
天理高との準決勝。初回にバックスクリーンへ運んでPL学園高・清原の大会5本塁打に並ぶと、5回の第3打席では同点ソロを放ち、大会新記録を樹立。一塁ベースを回る際にはガッツポーズ/写真=高原由佳
“超高校級”の「打てる捕手」ドラフト1位候補に急浮上!!
3年夏、ラストチャンスでつかんだ甲子園。中京大中京高との1回戦が、中村奨成の野球人生を変えた。2点を追う6回表、一死走者なしからソロを右中間へ。「(通算本塁打)39本目で初めて逆方向への本塁打でした」。主砲の一打で勢いに乗った広陵高はこの回に逆転すると、その裏の守りでもビッグプレー。無死一塁から捕手前へのバントを、矢のような送球で二進を阻む。遠投120メートル、二塁送球が1.8秒を切る強肩を披露した。

捕手としても遠投120メートルの強肩。中京大中京高との1回戦では走者一塁からのバントを、矢のような送球で二塁進塁を許さず、スタンドを驚かせた/写真=田中慎一郎
4万7000人の大観衆から「オーッ!!」。夏特有のどよめきが銀傘にこだましたが“中村劇場”は、終わらない。8回に右越えの一発。視察したNPB12球団のスカウトも思わず、ポカーンと口を開く。一躍、ドラフト1位候補に急浮上した。
「ダントツでNo.1。(将来は)レギュラーとして見るキャッチャー」(
中日・
中田宗男スカウト部長)
「フットワーク、肩、コントロールの正確性、判断力。すべてが凝縮されたプレー。強烈でした」(
ヤクルト・
小川淳司シニアディレクター)
躍進はいわば“ケガの功名”だった。
広島大会の初戦(対崇徳高)で右手首に死球を受けた影響により・・・
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