FA選手だけではない!12月2日に2018年の保留選手名簿が公示され、各球団の支配下登録選手が明らかに。ドラフト、新外国人、FAなどで加入する選手がいる一方、移籍や自由契約となった選手もおり、球団が戦力整備を急いでいる。そんな新シーズンに向けた戦いが水面下で進む中、12球団のストーブリーグの動向を総チェック。戦力整備が順調に進んでいるのは──。※情報は12月18日17時時点 ※【戦力整備度】編集部採点で100%=補強の必要はなし、90〜99%=欲をいえば補強するべき、80〜89%=もう少し補強するべき、70〜79%=補強するべき、69%以下=絶対に補強するべき 
先発の補強が日本一へのキーポイントとなる/写真は薮田
広島・戦力整備度80% 野手は万全も投手に改善の余地あり
2年連続の独走でセ・リーグを制した
広島。充実の戦力は中堅、若手が主力で、中心選手の退団はなし。3連覇へは視界良好だが、16年は日本シリーズで、17年はCSで敗退し、日本一はならず。悲願の12球団の頂点に向けてはまだまだ戦力を上げる必要がある。
野手に関しては、現時点で大きな穴はない。外国人は
エルドレッド、
バティスタ、
A.メヒアという大砲がおり、“タナキクマル”(
田中広輔・
菊池涼介・
丸佳浩)や
鈴木誠也を筆頭とする打線の破壊力はリーグ最高峰。最大の不安はレギュラーの故障だが、
岩本貴裕や
堂林翔太、
野間峻祥、
坂倉将吾らを鍛えてカバーする。
一方、投手は、先発が最大の強化ポイント。ジョンソン、
野村祐輔、
薮田和樹が3本柱となるが、この3投手が先発したCSファイナルステージでは、アドバンテージの1勝を含む2勝4敗の結果に。12勝を挙げた
岡田明丈や10勝の
大瀬良大地、5勝の
中村祐太の成長が理想的ではあるが、さらに万全を期すために、広島スカウトの確かな観察眼を生かした有力助っ人先発の獲得が濃厚だ。
救援は左腕不足が課題。
中崎翔太、
今村猛、
ジャクソンら実力派投手が多く、左打者に苦手意識はないが、左投手が加われば鬼に金棒ではある。
チームは先発、リリーフどちらにも対応できる助っ人を調査中だが、来季が高卒4年目の
塹江敦哉や、3年目の
高橋樹也、2年目の
高橋昂也ら若き左腕が台頭できればベスト。伝統の育成力で戦力アップを図る。
■今オフの主な動き 新加入 中村奨成捕手(ドラフト1位) 戦力値 B
山口翔投手(ドラフト2位) 戦力値 C
ケムナブラッド誠投手(ドラフト3位) 戦力値 B
永井敦士外野手(ドラフト4位) 戦力値 C
退団 梵英心内野手(自由契約未定) ダメージ度 -C
阪神・戦力整備度90% 実績のある四番候補ロサリオと契約完了

四番候補で実績十分のロサリオと契約完了。これで18年は期待できる!?/写真=Getty Images
すでに最優先の懸念事項は解消済み。12月13日、韓国・ハンファのウィリン・ロサリオと契約を結んだ。メジャー通算71本塁打で、韓国球界でも2年連続で打率3割超、30本塁打、100打点の成績を残し四番候補として見込める。
もともと
金本知憲監督が欲しがっていた選手だけに、理想の補強と言っていい。2017年は右の大砲として期待された
キャンベルが中距離打者程度の打力しか示せず、途中加入の
ロジャースもすぐに相手に研究され活躍ができなかった。右の大砲助っ人が活躍していれば、首位・広島に10ゲーム差をつけられることはなかったはず。指揮官も17年の反省点に「外国人打者の失敗」を挙げたほどだ。
投手陣は
藤浪晋太郎、
岩貞祐太が不安を残し、ベテランの
能見篤史も先発ローテを1年間、守れるか。新たに獲得した
ディエゴ・モレノは、
マテオ、
ドリスのバックアップ要員と中継ぎ候補で、先発は新人に期待。ドラ1の
馬場皐輔、左腕の
高橋遥人、社会人出身の
谷川昌希が先発候補として、
小野泰己や
横山雄哉らと競争すれば底上げが図れる。中継ぎ陣は
大和の人的補償で右腕の
尾仲祐哉が加入。ただ、1年目から一軍経験があるとはいえ、戦力に割って入るのは難しいか。大和が抜けた野手は、大きな痛手にはならず、
西岡剛が完全復帰を果たせば穴は埋まる。
植田海も大和に劣らぬ守備力を持ち、
DeNAを戦力外となった
山崎憲晴も獲得と、野手の選手層は厚くなっている。
■今オフの主な動き 新加入 尾仲祐哉投手(DeNA人的補償) 戦力値 B
馬場皐輔投手(ドラフト1位) 戦力値 B
山崎憲晴内野手(DeNA自由契約) 戦力値 C
ロサリオ内野手(韓国・ハンファ) 戦力値 A
退団 大和内野手(DeNAへ) ダメージ度 -B
DeNA・戦力整備度85% 例年にない積極的な戦力補強でV狙う

阪神から加入した大和。二遊間のレギュラー争いに参戦する
セ3位からCSを勝ち上がり、19年ぶりの日本シリーズの舞台を経験した。2018年は戦力の拡充を図り、20年ぶりのリーグ優勝に向けてチームの鼻息は荒い。しかし、冷静に振り返れば、優勝した広島とは14.5ゲーム差、2位の阪神にも4.5差をつけられており、レギュラーシーズンでの実力差は明らかだった。2強との差をどう埋めるか。17年オフには育成再契約を含め14人を自由契約とし“血の入れ替え”を図った。
17年は
ラミレス監督が「レギュラー」に指名した遊撃・
倉本寿彦、中堅・
桑原将志が全試合に出場したが、その裏には彼らを脅かす選手がいなかった事情もあった。「調子が悪いときに交代できる戦力がなく、ラミレス監督には迷惑をかけた」と
高田繁GMもそれを認めている。薄い選手層を解消させるうってつけの人材として阪神からFA権を行使した大和を獲得できたのは大きい。二遊間、さらには外野もこなせる守備のスペシャリストの加入は大きな戦力アップだ。さらに3Aで打率.271、48本塁打の内野手・
ソトを入団テストを経て獲得。また、リーグ最低だった代打率(.156)を改善させるためのテコ入れ策として
楽天から長距離砲、
中川大志を迎え入れるなど積極的な補強に動いた。
先発投手は17年に先発ローテを回した
今永昇太、
ウィーランド、
濱口遥大、
井納翔一、
石田健大の5人が盤石。ここにドラフト1位左腕・
東克樹(立命大)が加われば厚みは増す。
その一方で課題&補強ポイントは中継ぎ陣にある。クローザー・
山崎康晃と、主に8回を担った
パットンとエスコバーを除けば、防御率は4点台、5点台の投手が並ぶ。実際に17年は試合終盤に勝ち試合を引っくり返される展開も多く、それが広島、阪神との差につながった。
そのために15年にプロ野球タイ記録の17試合連続ホールドを記録した元
ソフトバンクのバリオス、
中日を自由契約となった
武藤祐太もリリーフ要員として契約を結んだ。毎年夏場は疲労の色が濃くなる投手陣だけに、中継ぎは何枚いても困ることはないだろう。
今オフは球団の意思が色濃く反映された補強で、戦力はますます整備された印象だが、ここにソフトバンクを自由契約となった
松坂大輔の“横浜帰還”の可能性はないだろうか──。1998年の松坂、
後藤武敏らの横浜高が甲子園制覇&ベイスターズのセ・リーグVから20年。復帰となれば盛り上がりは必至だろう。
外野定位置BATTLE ドラ2神里に注目
今号の「大和インタビュー」で取り上げているように守備のスペシャリストの加入で二遊間でポジション争いが勃発。特にショートは現レギュラーである倉本寿彦と大和の一騎打ちの様相だ。現時点で2人の位置付けは横一線。春季キャンプでは激しいポジション争いが繰り広げられそうだ。もう一つの“ホットスポット”が外野だ。中堅・桑原将志、右翼・
梶谷隆幸に挑むのがドラフト2位ルーキーの
神里和毅(日本生命)。沖縄出身らしい顔立ちで、イケメンぶりばかりが先行しがちだが、俊足、強肩、強打の三拍子を備える即戦力外野手として首脳陣からの高い評価を得ている。足も使えることから、「カジ(梶谷)もうかうかしてられない」とチーム関係者に言わせるほど期待値は高い。
■今オフの主な動き 新加入 大和内野手(阪神FA) 戦力値 A
バリオス投手(BC富山) 戦力値 C
東克樹投手(ドラフト1位) 戦力値 A
神里和毅外野手(ドラフト2位) 戦力値 B
退団 尾仲祐哉投手(阪神へ) ダメージ度 -B