開幕前の“恒例行事”といえば、ペナントレースの順位予想だろう。ここでは本誌などで活躍中の野球解説者が順位を予想し、注目選手もピックアップ。まずは昨季、ソフトバンクが日本一に輝いたパ・リーグから見ていこう。 写真=BBM 武田一浩氏「ロッテが台風の目になる」

武田一浩/たけだ・かずひろ●1965年生まれ。明大中野高、明大を経て88年ドラフト1位で日本ハムに入団。ダイエー、中日、巨人で先発、救援で活躍。02年に引退。
昨季に日本一に輝いたソフトバンクはやはり、層の厚さで群を抜いています。ケガ人が出てもカバーする戦力はありますし、よほどのことがなければリーグ連覇は間違いないでしょう。
楽天は
則本昂大、
岸孝之、
美馬学の3本柱が、合計で500イニングを投げられるのが強み。さらに昨年11月に右ヒジを手術した
茂木栄五郎が開幕に間に合う模様で、投打に柱ができそうです。
ロッテは
井口資仁監督に替わり、雰囲気が良い。ルーキーの
藤岡裕大、
菅野剛士も即戦力の力があり、台風の目となりそうです。
西武は先発投手が不足しています。打線は良いので、先発が良くなれば3位もあるでしょう。
オリックスは
吉田正尚が1年間働き、30本塁打を打つことができれば2位、3位の可能性も。日本ハムは明らかに戦力ダウン。特にクローザーに頭を悩ませることになりそうです。
予想順位 1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 ロッテ
4位 西武
5位 オリックス
6位 日本ハム
■注目選手 ロッテ・菅野剛士 スイングスピードが抜群 
菅野剛士
今春キャンプで見た野手の中では、スイングスピードは1、2を争うものがありました。1年間打席に立たせてもらうことができれば面白い存在となりそうです。スイングの速さではオリックスの吉田正尚にも期待しています。今季こそケガなくプレーできれば、パの日本人では3年ぶりのホームラン王も十分に射程圏内でしょう。
大久保博元氏「西武は昔に戻ってほしい」

大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年生まれ。水戸商高から85年ドラフト1位で西武入団。92年途中に巨人へ移籍し95年に引退。2015年には楽天の監督を務めた。
1位にした西武は、期待を込めたものです。どう考えてもソフトバンクの連覇の確率は高いですよ。でも
辻発彦監督により昔の良い時代の西武に戻りつつある。OBとしてはそこに戻ってほしいと願っています。優勝するためにはまずは「勝つ」という強い気持ちを持ち「命」をかけて戦ってほしいです。3位の楽天は則本昂大、岸孝之で30勝は固いし、打線も点を取れ、勝ち方を知っていますので。
4位のロッテは井口資仁新監督の素晴らしい人間性と野球の経験と知識がある。井口政権下で優勝は必ずあるはずです。5位のオリックスは、どれだけ選手自身が自分に「勝つぞ」という意識を持てるかだと思っています。日本ハムは今年、
清宮幸太郎を育成するシーズンと考えているはず。徹底したメジャー式の経営法はすごい。数年後を見据えての采配になるはずなので6位にしました。
予想順位 1位 西武
2位 ソフトバンク
3位 楽天
4位 ロッテ
5位 オリックス
6位 日本ハム
■注目選手 西武・中村剛也 不動心を持て! 
中村剛也
すごい打者ですから、首脳陣なども厳しいことを言わないと思います。だからこそ自分に厳しくガムシャラにやってほしい。「こんなもんでしょ?」と思わずに自分に負けない不動心を持ってプレーしてほしいです。その充実感がファンを喜ばせることになることを、もう一度思い出してもらいたいですね。
柴原洋氏「総合力でホークスが優位」

柴原洋/しばはら・ひろし●1974年生まれ。北九州高から九州共立大を経てドラフト3位でダイエー[現=ソフトバンク]入団。巧打、好守の外野手として活躍し、2011年に引退。
ペナントレースの中心は、捕手にケガ人が多いものの、長丁場を戦い抜く上で重要な総合力に長けたソフトバンクでしょう。これを追うのが楽天、西武です。西武は打線に破壊力があり、かつソフトバンクにはない機動力も使えるところがポイント。ただし、先発が弱く、
菊池雄星に続くB.ウルフ、
カスティーヨがハマれば優勝争い、ダメならBクラスに。楽天は西武とは逆に則本昂大、岸孝之を中心とした先発陣が◎。打線で外国人トリオが昨年ばりに働き、ケガ人がなければVを争うことも。
台風の目はオリックス。投手陣は10勝10敗クラスが多く、Aクラスラインが5割だと3位の可能性も。
田嶋大樹、
山岡泰輔が貯金を作れればさらに上にも。ロッテは補強が皆無な点はどうか。井口資仁監督に期待します。日本ハムは投打の軸の
大谷翔平、
増田浩俊の穴が大き過ぎます。
予想順位 1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 西武
4位 オリックス
5位 ロッテ
6位 日本ハム
■注目選手 オリックス・田嶋大樹 社会人NO.1の実力は? 
田嶋大樹
オリックス上位浮上のカギを握る存在でしょう。本来、打線も投手陣も粒ぞろい。そこに、社会人NO.1左腕が加わって、どのような化学変化が起こるか。実際に投げる姿を映像等で見ましたが、腕の振りが良く、力強い。上位と当たることも多いでしょうが、その中でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみ。
里崎智也氏「王者に欠点はない」

里崎智也/さとざき・ともや●1976年生まれ。鳴門工高から帝京大を経て1999年ドラフト2位でロッテ入団。2005年、10年と2度の日本一に貢献。14年に引退。
普通に戦うことができればソフトバンクに欠点はなく、つけ入るスキは見当たりません。若手も育っており、怖いのはケガだけ。捕手にケガ人が出ましたが、
甲斐拓也が真の独り立ちをするチャンスとも言えます。
外国人打者が昨年どおりの活躍を見せれば楽天はソフトバンク追撃の筆頭になるかもしれません。若手投手の伸びしろも十分。ただ選手層には不安があります。オリックスは投打ともに高い個人能力を備えていますので、大味かもしれませんが個の力を発揮できれば上位を狙えます。西武は中継ぎ陣が昨年の躍進のカギとなっただけに
牧田和久、シュリッターの抜けた穴は大きいと思います。日本ハムは戦力的に厳しい。井口資仁新監督のロッテも大きな上積みはありません。
希望的観測、いわゆる“たられば”が多いチームは下位予想にせざるを得ません。
予想順位 1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 オリックス
4位 西武
5位 日本ハム
6位 ロッテ
■注目選手 ソフトバンク・柳田悠岐 三冠王に最も近い男 
柳田悠岐
現在のパ・リーグで最も三冠王に近い選手が柳田悠岐です。平成の三冠王は2004年の
松中信彦さん(元ダイエー・ソフトバンク)だけ。そこにチャレンジできるというだけで、現在の柳田がいかに突出した存在であるかが分かるはずです。ソフトバンクが連覇を狙う上での打のキーマンであることは言うまでもないでしょう。