某大手メーカーから独立後、有限会社イクノ工房を設立した生野秀次氏。ゴロを捕球する際に、腕を下ろしたときや胸の前でボールをキャッチするときの手のひらはどういう向きか!?手の向きに合わせたグラブを作れば、自然に手本来の動きに合ったグラブが生まれるはず。そのグラブこそが「基本」だという信念の下で「誠」というグラブブランドを立ち上げ、1つひとつ丁寧に、誠実なグラブ作りにまい進している。 取材・文=椎屋博幸 
生野氏[左]と従業員の木下さん。それに生野氏の奥様の3人で「誠」のグラブを作っている
選手と職人に揉まれグラブの本質を知る
生野秀次氏は、大学生時代にある縁から卒業後、オニツカ株式会社(現アシックス)に入社した。当社は、当時アメリカの大手野球用具メーカーのローリングスの用品を日本で販売していた。少年時代の生野氏が、あこがれていたグラブがまさにこのローリングスのグラブだった。
入社2年目に、オニツカ社がローリングスのグラブなどを日本で製作することになった。そのグラブ開発担当として生野氏もチームに入ったのだ。それと同時にプロ野球のチーム担当にも任命された。球団は
広島と近鉄だった。この2球団の担当選手のグラブの修正なども行った。また、工場にも出向き、グラブの型などを提案し、グラブ開発で職人さんとも顔を突き合わせた。その中で、アメリカで作られているローリングスのグラブが・・・
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