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The GOAL 菅野智之が求める究極の姿

菅野智之コラム「勝利は自分の力で引き寄せられるものだと確信しました。昨年の反省を生かせれば『20』勝てると思います」

 

日本の、そしてジャイアンツのエースが2018年に隔週で連載したプレーヤーズコラムの、第2シーズンが今号よりスタート。2018年は2年連続の沢村賞を選考項目オールクリアで受賞し、投手3冠にも輝くなど、進化を止めない右腕の思考を、マニアックにコラムにして綴ります。初回は拡大版で、テーマは本誌特集に連動させて『2019年に挑む』。背番号を18に変更して迎える新シーズンへの想いとは――。
写真=小山真司、毛受亮介、高塩隆、BBM

開幕まで約2週間となった3月14日のソフトバンクとのオープン戦[ヤフオクドーム]では先発して6回を2安打[ともに当たりそこないの不運な内野安打]6奪三振と完ぺきな仕上がりを披露した


ギャップを埋めて大切な開幕へ――


 読売ジャイアンツ菅野智之です。昨年に引き続き、この週刊ベースボールの誌面をお借りして、月に1度、コラムの連載を担当することになりました。再びの説明となりますが、タイトルの『TheGOAL』は、僕にとって野球が唯一、未来(つまり、ゴール)が分からないものであり、だからこそ飽くことなく、日々、究極を目指して打ち込めるもの、という意味を込めてつけました。

 2018年は連載をする中で、では僕にとっての“GOAL”とは何か、『究極の姿』とは何かを考えてきました。結論から言えば、“GOAL”は、自分の近いところにあるものですが、日々成長し前に進むことで、“GOAL”も前に前に進んでいくため、その距離は少しずつしか縮まりません。つまり、“GOAL”というのは自分にとっての目標やターゲットであって、それをクリアした時点で書き換えられていくものです。現役選手である以上、ゴールテープはなかなか切れないものなのかもしれませんが、それは望むところ。僕も一歩も引かず、19年も“GOAL”を追い求めて野球に集中していきます。

 さて、今回のテーマは『2019年に挑む』としました。開幕までカウントダウンが始まっているこの時期ですから、スポーツニュースなどでも話題は自然と3月29日の開幕戦、そして19年のペナントレースが中心となっています。まずは開幕まで残り10日となった時点の、僕の状態から書いていきましょう。

 例年どおり、このオフは12月の中旬から1月の下旬までの1カ月間、ハワイで自主トレを行いました。その直前には11月に扁桃(へんとう)の除去手術を行ったことで、約2週間の完全休養があったのですが、これが良かった。いや、術後の状態自体は想像していた以上にキツく、これはとても堪こたえましたが、体を激しく動かすことを禁止されていたので、本当に何もしない2週間を過ごしました。こんなことは本格的に野球を始めてから、アマ時代を通じても初めて。昨年は202イニングを投げて、かつそれまでに蓄積された疲労もあったはずですが、この2週間で完全にその疲労が抜けて、フレッシュな状態でハワイへと向かうことができたのです。この間、食べちゃいけない、お酒も飲んじゃいけないという日々でしたので、ウエートのコントロール(最初は5キロ痩せました……)も問題なし。そんな体の状態ですから、ハワイでも順調にトレーニングを消化し、例年に比較すると3倍くらい、過去最高と言っていいくらいの仕上がり、状態でキャンプを迎えました。

 しかし、キャンプを1カ月過ごし、実戦登板を重ねていくと・・・

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