ペットボトルのキャップをボールに見立て、野球未経験者でも気軽に楽しめる“キャップ投げ”野球が流行の兆しを見せている。投手が操るのは、体感速度150キロ(実際は100キロ)ともいわれる直球と、野球ではありえないほどの鋭く大きい軌道を描く変化球だ。硬式球では無理でも、これならば魔球マスターになれる? キャップ投げの創始者・日野湧也さんが代表を務める「京都大学キャップ投げ倶楽部」で極意を聞いた。 協力=京都大学キャップ投げ倶楽部取材・構成=坂本匠、写真=松村真行、イラスト=横山英史 
左:日野湧也[ひの・わくや]●京都大学3年生。京都大学キャップ投げ倶楽部代表で、“キャップ投げ”の考案者。大学入学後に競技化。12球種を操る魔球マスター
右:中垣駿介[なかがき・しゅんすけ]●京都大学3年生。1年時に京都大学キャップ投げ倶楽部に参加。直近で行われた九州大会ではノーヒット・ノーランを記録している
“キャップ投げ”野球とは……
基本的なルールは野球に準ずるが、ウィッフルボール用のバットを使用。1チーム5名編成(投手、捕手、DH、野手×2。控えとの選手交代あり)で、6イニング制(延長あり)。投手板からホームまでの距離は9.22メートル(18.44メートルの半分)。投手板から一、三塁線へ垂直に伸びたラインを越えればヒット、越えなければアウト。これよりも後方に設置されたカベ(中堅15メートル、両翼11メートル)までゴロで到達すれば二塁打、ダイレクトで三塁打、オーバーフェンスはホームラン。それぞれヒットとなる条件より前に野手が捕球すればアウト。プレーヤーを“キャッパー”と呼ぶ。公式ルールは作成中。
一部の若者の間で人気が出始めている“キャップ投げ”は、現在京都大学3年生の日野湧也さんがブームの火付け役だ。1歳から17歳までをロサンゼルスで過ごし、趣味でペットボトルのキャップを投げていた日野さんが、大学入学と同時に『京都大学キャップ投げ倶楽部』を設立し、競技化したことがそもそもの始まり。その技をツイッターや動画サイトで拡散したことで、「やってみたい」と全国に“キャッパー”が急増した。発足から2年で同部の部員数は80人を超え、そのほか大学、高校を中心に30~40団体が“キャップ投げ”に打ち込んでいるそうだ。
そんな全国の“キャッパー”たちが羨望(せんぼう)の眼差しで見つめるのが日野さんが操る七色の魔球。野球未経験者ながら「野球にある変化球はすべて投げることができます」とサラリ。しかも・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン