2018年夏の甲子園で一躍脚光を浴びたのが、金足農高の吉田輝星。チームの絶対的なエースとして「全881球」を投げ抜き、秋田県勢103年ぶりの準優勝に導いた。高校野球ファンの記憶に深く刻まれた、あの夏の軌跡をいま振り返る。 取材・構成=松井進作 写真=阿部卓功(インタビュー)、BBM 
写真=高原由佳
根尾昂に投じた悔いの残る「1球」
地元・秋田県民の夢も背負って全身全霊で戦い抜いた全6試合。その舞台に辿り着くまでには、日々のたゆまぬ努力があった。雪国のハンディを乗り越え、仲間たちとひたむきに野球と向き合ってきた3年間。青春のすべてを捧げた高校野球生活を18歳の右腕が語り尽くした。 ──“金農旋風”で日本中を沸かせた2018年夏の甲子園。まだ記憶は鮮明に残っていますか。
吉田輝 あれからもう1年も経つんですか……すごく昔のようでもあり、つい最近のことのようにも感じますね。
──初めて甲子園のマウンドに立ったときの景色はどんなものでしたか。
吉田輝 ほかの球場とはまったく違った雰囲気でしたね。予想もしない逆転劇やドラマが毎年のように生まれるのも分かるというか、スタンドの雰囲気も味わったことのないものでしたから。
──全6試合を戦った甲子園の中で一番印象に残っている試合は。
吉田輝 2回戦の大垣日大高戦はすごく自分でも納得のいくボールを投げられたので印象に残っていますね。それでも一番は・・・
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