ジャイアンツのエース・菅野智之のプレーヤーズコラム第2シーズンを、リーグ優勝記念特別版インタビューとしてお届け。11勝を挙げながらも腰痛に苦しんだシーズンを振り返りつつ、ペナントレース終了後への素直な想いを明かした。 写真=榎本郁也、小山真司 
9月21日、登録抹消中だったが横浜スタジアムに駆けつけ、優勝の瞬間、ベンチを飛び出す菅野智之[左端]。腰を痛めているため、ダッシュも控えめに
ズバ抜けたもの(力)があるチームが優勝する
涙をこらえるのに必死だった。9月21日、菅野智之は横浜で5年ぶりの優勝を見届けたあと(※登録抹消中でほかの登録外の選手とともにバックヤードでモニター観戦。優勝の瞬間のみ、歓喜の輪に加わった)、都内に移動して優勝記者会見に出席。原辰徳監督、キャプテンの坂本勇人、丸佳浩、岡本和真とともに登壇し、「僕は何もしていない……」という趣旨の発言をすると、原監督が質問者を遮(さえぎ)って“反論”。「何もしてなくないですよ。ギブアップしないっていうね(腰痛で3度登録抹消)。数字そのものは、本人の中ではあれ(不満)なんでしょうけど、彼は自分から、『もうダメです』という言葉を1度も言わなかった。これから先もまた大きな試合がありますから、そこでやってくれると思います」と労いと激励のメッセージを受けた菅野は、目を潤ませてしばし沈黙。苦悩について多くは語らない右腕が、どれほどの苦しみを抱えていたのかが分かるシーンだった。 ──プロ2年目の2014年以来、5年ぶりの優勝です。腰痛からの復帰に向けて二軍調整中ではありましたが、その場に駆けつけチームメートと喜びを分かち合いました。
菅野 もちろん、うれしいです。チームとして優勝を目指して長いシーズンを戦ってきたわけですから。ただ、僕個人としては、もちろんうれしい気持ちもありますけど、正直悔しい思いも強くあります。この時期に投げることができず、今年に関しては、(3度の登録抹消があって)何一つ、貢献できてないと感じているので。自分がしっかりとチームのために働くことができたシーズンだったら、どんなに良かったか……。(チームの優勝と、自分のパフォーマンスや結果と)なかなかタイミングが合いませんね。ただ、それは一個人のことですし、チームが勝つことがプロ野球選手にとっては最大のターゲットですから。そういった面では良かったと思います。複雑といえば、複雑な気持ちはありますけど。
──2019年のジャイアンツの強さ、ストロングポイントはどんなところにあったと感じますか。
菅野 これまでジャイアンツを含めていろいろな優勝チームを見てきましたけど、やはり、どこかにズバ抜けたもの(力)があるチームが優勝すると思うんです。例えば、僕が入団した年(13年)は、本当に強かったのですが、このときのチームの特徴は投手陣で、特に後ろ、リリーフがしっかりしていました。
西村健太朗(現アカデミーコーチ)さんが最多セーブ(42S)で、S.
マシソンと山口(
山口鉄也、現アカデミーコーチ)さんがそろって最優秀中継ぎ(42HP)を獲っています。今年は・・・
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