苦しいストーブリーグとなってしまった。2020年のリーグ連覇と日本一奪回に向けて、今冬もFA戦線に参入したが……。これまでには例のなかった全敗で打ち止め。補強は海外に目を向けることに。巨人の補強戦略に何があったのか。リポートする。 文=鷲田康[スポーツジャーナリスト] 写真=BBM 
原辰徳監督は編成面でも大きな責任を持つ。サポート体制が不可欠だが……。
巨人の未来の必然
惨敗である。
過去にも巨人がFA選手の獲得に乗り出しながら、水面下で撤退したケースはあった。ただ今回は編成の責任者である原辰徳監督自らが、堂々と“獲得宣言”した中で、ターゲットにした
楽天・
美馬学(→
ロッテ)とロッテ・
鈴木大地(→楽天)の2選手のいずれにも逃げられてしまった。これほど見事な敗北は、巨人の球団史上でも初めてのことだと言えるだろう。
象徴的なのは美馬のケースだ。
来季もエース・
菅野智之の肉体不安が完全に払拭(ふっしょく)できない状況の中で、今季15勝した
山口俊がポスティングシステムでのメジャー挑戦を表明(※12月5日にポスティング申請が完了)。日本シリーズでも先発の駒不足を露呈しており、ノドから手が出るほど欲しかったイニングイーターの右腕の獲得は、巨人にとってこのオフの最大のテーマだったはずだ。
だからこそ4度の交渉では金銭面だけでなく、生活環境を含めたさまざまな提案を行い、最後には原監督自らが出馬して口説きに口説いた。
それでも答えは「ノー」だった。
美馬から断りの連絡を受けた直後には「球団内に裏切り者がいる」と・・・
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