「僕なんかより良いピッチャー」。あこがれの田中将大(ヤンキース)から高く評価された、近未来の燕のエース候補だ。自分を大きく見せるタイプではなく、言葉選びは慎重だが、その芯は太い。「背番号11」を背負い、新たな挑戦へ向かう。 文=富田庸 写真=大泉謙也 
「背番号11」に袖を通した奥川[左]。高津監督[右]も見上げるほどの大きさだ
勝てるピッチャーに
ルーキーイヤーとなる2020年を待たずして、“奥川フィーバー”は早くも幕を開けた。12月3日に
ヤクルトホールで行われた新入団会見。ファンを招いての公開方式が恒例となっているが、今年は少し様相が違った。通常、新人選手のネーム&ナンバー入りTシャツなどグッズが売り出されるが、奥川に限っては「背番号11」のレプリカユニフォームが数量限定で先行発売されたのだ。球団による異例の決定だった。その真新しいユニフォームを着たり、ネーム入りタオルを掲げるファンも多かった。期待の大きさが球団内部、ファンの間にも充満していた。
この新入団会見に先立ち、新人選手たちは本誌の取材に応じた。星稜高の学生服姿で現れた奥川は、小社発行のBBMカード用の撮影を終えると、取材スペースに足を運んだ。「よろしくお願いします」と丁ねいに頭を下げる姿は高校生そのもの。そして「正直、プロ野球選手になるイメージはまだできていないし、不安のほうが大きいんです」と現在の心情を吐露した。だが、本誌企画用として、絵馬に「新年の誓い」をしたためてほしいとお願いしたところ、さほど時間を要さず、ある言葉を書き込んだ。詳しい内容は次号(2020年1月6&13日合併号)に掲載予定だが、控えめにも見える普段の所作とは違う“覚悟”を垣間見た気がした。やはり注目されるドラフト1位選手としてのオーラが存在した。
そして少しだけ目を輝かせたのは・・・
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