高校時代は3年春のセンバツ初出場でチームは8強進出も、3番手投手だった。大学進学後に急成長を遂げ、153キロ右腕はドラフト上位候補に名を連ねる。 取材・文=岡本朋祐 写真=大賀章好 どんな場面でも頼りになる、お守りのようなウイニングショットを持っている。
山崎伊織が東海大入学後に習得したカットボールだ。
「スライダーは127、8キロで浮く感じ。真っすぐに近い球筋で、そのまま落ちる変化球がほしかったんです。握りとかを自分で微調整しながら、今の形になりました。真っすぐがいかなくても、カットボールならばカウント、空振りが取れる。安定して好不調の波が少ない球種です」
1990年代のプロ野球から連想するならば、変化量の違いはあるが、
ヤクルト・
伊藤智仁のスライダーのようにブレーキが利いた鋭い変化。NPBスカウトが「特殊球」と、魔球扱いにする伝家の宝刀が山崎の武器だ。
「すみません。現役時代の伊藤さんのピッチングを見たことがなくて……。あっ! 『パワプロ』(実況パワ
フルプロ野球)にはいました。あのスライダーは、ごっついですよね」
兵庫県神戸市生まれ。3歳で明石市に移り住み、野球を始めた小学1年時から投手一筋。中学時代の明石ボーイズを通じて目立った実績はないが唯一、大舞台を経験したのは3年時に関西選抜でプレーしたことだ。
「箕面ボーイズの寺島(
寺島成輝、履正社高-ヤクルト)がいたんですが・・・
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