※今号(2020年3月23日号)は、「3.20」開催を前提に記事を構成しており、本誌の締め切り日(3月9日)に発表されたNPBの開幕延期と取材時期との関係上、一部、事実と齟齬(そご)が生じております。ご了承ください。 
メジャー通算282本塁打のジョーンズを四番で起用し得点力アップを図る
【投手力&守備力】経験不足が不安材料
2年連続で開幕投手を務める
山岡泰輔を筆頭に先発投手のコマはそろう。開幕2戦目は
荒西祐大、同3戦目は
田嶋大樹が濃厚で、
山本由伸は
ソフトバンクとの開幕2カード目の初戦に当てる。5、6番手は
村西良太、
東明大貴らの争いが続き、故障離脱の
張奕、不振のK-鈴木も控え“先発不足”になる心配はないだろう。
ただ、問題は経験不足だ。シーズンを通して先発ローテを守ったことがあるのは山岡のみ。若手投手が台頭しているものの、昨季は好投と序盤KOを繰り返すなど安定感に欠ける。先発投手陣がチーム最大の武器なだけに、彼らの奮闘は上位浮上の絶対条件。安定感が求められる。
守備では
若月健矢、
頓宮裕真の捕手併用が濃厚で、二遊間は
安達了一、
福田周平、
大城滉二、
宜保翔らで争い、中堅も
宗佑磨、
杉本裕太郎、
小田裕也らの定位置争いが続く。センターラインが固定されていないだけに、守りの面では不安が残っている。
【攻撃力&機動力】打線の骨格は固まる
昨季、リーグワーストのチーム打率&総得点と課題は明らか。得点力アップを期し、新助っ人・ジョーンズを四番に据えて
吉田正尚を三番に固定。モヤ、T-岡田ら、長打力を秘める強打者を五番以降に置いて、大量得点も目指す。
それだけにカギを握るのは一、二番だ。オープン戦好調の高卒2年目の宜保がリードオフマン候補に浮上し、器用な打撃を見せる
中川圭太との一、二番で好機拡大を狙う。
ただ、打線はオープン戦で複数パターンを試す状況が続く。守備でセンターラインが固まらないのは課題が得点力なだけに、攻撃重視のオーダーを模索しているから。出塁率と足を使える一、二番、さらに下位打線も小技が使える面々で固定されれば、長打力ある中軸を生かすことができるはず。目指す攻撃と、打線の骨格はできているだけに、あとはワキを固めるメンバー次第。開幕までに“攻撃の形”を確立できるか。
【選手起用&戦術】今季も“先行逃げ切り”
多くのポジションでレギュラー定着の決め手を欠く状況が続いているだけに、起用パターンは複数に及ぶ。昨季は143試合で打順は134通りを数え、固定せずにシーズンを戦ったが、今年も三番・吉田正、四番・ジョーンズ、五番・モヤを除いて日替わりオーダーを組みそうだ。選手の状態や、対戦球団との相性などを考慮した起用が考えられるだけに、ベンチワークが問われるだろう。
ただ、打線は“水もの”と言われることに加え、もともと得点力が高くはないだけに、今年も“守り勝つ野球”がベースになりそう。先発投手陣がゲームをつくり、
近藤大亮、
比嘉幹貴らの救援陣に抑えの
ディクソンへとつなぐ“王道”の展開が今季もチームの勝ちパターンとなる。
打線好調だった昨年8月は先制点を奪って“先行逃げ切り”の展開が多く、14勝9敗と月間勝ち越し。今季も、この“先行逃げ切り”をいかに増していくかがカギとなるだろう。
【離脱&調整中のメンバー】 張奕 右ヒジの張りのため二軍で再調整
ロドリゲス 右ワキ腹を痛めて二軍で調整中
太田椋 右足ハムストリングの筋損傷。二軍調整中
評価うなぎのぼり!注目選手 宜保翔
快音が続く巧打者 高卒2年目の巧打者が開幕スタメンへ猛アピールを続けている。3月9日時点で9安打の打率.500。3二塁打と長打力も示し「強く振れている」と手応えを口に。福田周平から一番・二塁を奪う勢いに、
西村徳文も「面白い存在。光っていますね」と期待を寄せる。遊撃も守れるとあって、安達了一の不振&故障の穴埋めも可能。19歳の若武者が一気にレギュラー奪取となればチームも活気づくだけに、背番号53の躍進が“開幕ダッシュ”を呼び込みそうだ。